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【ダニーの棋食徒然】うれしい不意打ち フルーツ大福

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 フルーツ大福の魅力は、その爆発力だ。代表格といえば、イチゴ大福が想定されるだろう。イチゴ大福を手で掴(つか)んでかじるやいなや、皮の部分と餡(あん)の甘さを通過した上で、ルビーのようなイチゴに到達する。瞬間、イチゴの酸味と甘みがミックスされた果汁が口の中で弾ける。刺激的な果汁の味わいは、徐々に餡や皮の部分と混ざり合い、イチゴ大福独自の味わいを展開する。まさにうれしい不意打ちといえるだろう。

 イチゴ大福は昭和後期に広まったとされるが、その美味(おい)しさからかまたたくまに伝播(でんぱ)し、いまや知らぬ人がない和菓子としての地位を築いている。料理や菓子の新発想がぱっと流行(はや)るのは、棋士の視点からすると、将棋の戦法の流行り廃(すた)りにも似ているところがあるように思うが、確かなポテンシャルがなければイチゴ大福のように残ることはできないだろう。

 近年はイチゴだけではなく、ベリー系やみかんやはっさくなどのかんきつ類、さらにはバナナなどのフルーツ大福も出てくるほどの人気であり、「養老軒」や「一心堂」など色とりどりのフルーツ大福を作り上げる専門店も数多くできている。各地の名産フルーツを大福にすることも多い。筆者の故郷である広島では、はっさく大福が人気で、歯ごたえなどの爽快感が加わるのも魅力だ。

 イチゴ大福のように一見合わないのではないかと思われるような、食の世界の気付かない取り合わせは、おそらく無数にあるだろう。新しい世界を覗(のぞ)く第一歩として、まずは好きなフルーツと新しい甘さの出会いを試してみるのはいかがだろうか。                (将棋棋士 糸谷哲郎八段)

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