PR

ニュース プレミアム

【国際情勢分析】タバコの大量密輸、蔡英文政権に思わぬ醜聞 総統選にも影響か

7月18日、カリブ海の島国セントルシアで歓迎を受ける台湾の蔡英文総統(総統府提供・AP)。米国を経由してのカリブ諸国歴訪は、総統選に向けた外交成果となるはずだったが…
7月18日、カリブ海の島国セントルシアで歓迎を受ける台湾の蔡英文総統(総統府提供・AP)。米国を経由してのカリブ諸国歴訪は、総統選に向けた外交成果となるはずだったが…

 台湾の蔡英文総統の外遊に同行した警護官によるタバコ密輸事件が波紋を広げている。一個人による単独の事案ではなく、長年の慣行で組織的に行われてきたことが判明。航空会社との不適切な関係も指摘され、蔡政権は火消しに追われている。野党、中国国民党は政権攻撃の材料に利用する構えで、来年1月の総統選に向けた風向きが変わるのか注目される。

蔡氏が「激怒」

 事件が発覚したのは、蔡氏がカリブ海諸国4カ国の外遊を終え、経由地の米国から戻った7月22日。12日ぶりに台北近郊の桃園国際空港に降り立った蔡氏は談話を発表し、米国との関係を「深化」させたと成果を強調した。その蔡氏の車列の一部が捜査当局に阻止され、随行員の手荷物を運ぶはずの車3台から、課税申告のないタバコ約9800カートンが発見された。

 台湾では個人によるタバコの持ち込みは免税分で1カートンまで、税金を払っても5カートンまで。捜査当局は、総統府侍衛室所属の警護官の少佐ら10人を連行し、少佐ら2人の身柄を拘束した。少佐は、事前に総統のチャーター機を運航した中華航空(チャイナ・エア)の免税品販売制度を利用して645万台湾元(約2240万円)分をクレジットカードで購入し、機内食を扱う子会社の倉庫で保管させていた。

 総統府は同日夕、蔡氏が「激怒」しているとの声明を発表。情報機関「国家安全局」トップの彭勝竹(ほう・しょうちく)局長と、警護責任者の張捷(ちょう・しょう)侍衛長を更迭した。蔡氏としては、米国で受けた厚遇を外交の成果として再選への流れにつなげたい矢先の醜聞で、計算が狂った形だ。

長年の組織的慣行

 ただ、警護責任者の更迭だけでは問題は解決しない。押収量は、個人では「毎日死ぬまで吸っても吸いきれない」(台湾メディア)ほどの量。総統府が7月30日に公表した中間報告書によると、実際にタバコを発注したのは、国家安全局の職員ら外遊に関係した82人で、身柄を拘束された少佐は取りまとめ役にすぎなかった。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ