PR

ニュース プレミアム

「ライバルはスマホ」進化する電車の中づり広告

中づり広告のようにぶら下がる、千手観音の手を印刷した不織布=7月、京都市
中づり広告のようにぶら下がる、千手観音の手を印刷した不織布=7月、京都市
その他の写真を見る(1/3枚)

 電車の中で目にする中づり広告。最近は奇抜な形をしていたり、触ってもらうことを前提として作られたりと、ユニークなものが次々と登場している。多くの乗客らの視線が常にスマートフォンに向けられていることが一因のようだ。「かつてほど、乗客に見てもらえない」との嘆きから、目線を上げてもらうために生み出されたアイデアの数々。中づりはどこまで進化するのか。

「1人で乗るの怖い」千手観音車両

 天井から垂れ下がる無数の金色の手。ハスの花や仏具などが握られている。

 京都市内を走る京福電鉄(嵐電)が、沿線にある世界遺産・仁和寺(にんなじ)で観音堂の修復が完了し特別公開されるのに合わせて企画した千手観音車両だ。車体は観音堂の本尊・千手観音菩薩の画像でラッピングされ、中づり風の装飾として千手観音の手を印刷した不織布がぶら下がる。

 6月末から11月24日までの運行予定で、「仁和寺に興味を持ってもらい、参拝のきっかけになれば」と嵐電担当者。狙いが成功しているかどうかは分からないが、SNS上では《夜に1人で乗るのは怖い》《乗っているだけで御利益がありそう》と話題になっており、注目を集めていることは確かだ。

 ユニークな中づりは、ほかにもある。

 寝具メーカー・西川(東京都)は昨年11~12月、東京メトロで本物の羽毛を使った「羽毛ふとん型」中づりを掲示。同社は「実際の触感を体験してもらいたかった」と狙いを説明する。

本物の羽毛を使った寝具メーカー・西川の中づり(西川提供)
本物の羽毛を使った寝具メーカー・西川の中づり(西川提供)
その他の写真を見る(2/3枚)

 平成27年には大阪メトロなどで海遊館(大阪市)が、サメが食いちぎったように見えるデザインのポスターを中づりに使用。ポスターは専用の金型で切り抜いて作られ、映画「ジョーズ」さながらに臨場感満点だった。

昭和2年から掲出、戦争の影響も

 鉄道広告の企画・制作を手がけるムサシノ広告社(東京都)によると、中づりなどの鉄道広告は昭和2年に始まった。当初は週刊誌の広告が中心だったが、戦時中には新聞や雑誌が紙の統制下に置かれて下火に。戦後復活したが、最近は出版業界の低迷が影響し、奇抜なデザイン性を駆使した多様な商品のPRの場になっている。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ