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カブトムシも作る キノコ会社の大発見

枝を伝うカブトムシ。キノコ工場で育ったものだ=7月12日午後、鳥取県岩美町
枝を伝うカブトムシ。キノコ工場で育ったものだ=7月12日午後、鳥取県岩美町
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 子供らに人気で、夏休みの自由研究としても飼育・観察される「カブトムシ」。鳥取県岩美町では、意外な取り合わせだが、キノコ生産販売の会社がカブトムシを育てている。ひょんなことがきっかけだったのだが、同社は試行錯誤しながらカブトムシの飼育に取り組み、今年からは販売も始めた。

菌床を壊してみると…!!

 自然に囲まれた岩美町にあるキノコ生産販売の「ISN(アイエスエヌ)」。7月10日、出勤してきた従業員がカブトムシを飼育するケースをのぞくと、5匹が立派に成長し、土の上に出てきていた。兼本裕樹社長(36)は「無事に育ってよかった」と胸をなで下ろす。

 兼本社長は福島県いわき市で暮らしていたが、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故の影響で鳥取市に移住し、別のキノコ栽培の会社に就職。平成26年1月に独立して「ISN」を立ち上げた。従業員は6人。夏にはビニールハウス3カ所でキクラゲを菌床栽培し、飲食店などに出荷している。

 そんなキノコ会社がなぜカブトムシを飼うようになったのか。

キクラゲを栽培する菌床。使い終わった菌床にカブトムシが卵を産みつけた=7月12日午後、鳥取県岩美町
キクラゲを栽培する菌床。使い終わった菌床にカブトムシが卵を産みつけた=7月12日午後、鳥取県岩美町
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 同社ではキクラゲを栽培する菌床を毎月新しいものに入れ替えている。しかし、使い終わった菌床をその都度解体する余裕はなく、ビニールハウスの外に置いていた。

 27年、キクラゲのシーズンが終わった秋になって菌床を解体すると、中から丸々と太ったカブトムシの幼虫が出てきた。夏の間に天然のカブトムシがやってきて、菌床に卵を産んだのだった。

 菌床は、カブトムシが好む広葉樹のオガクズなどで作られている。ビニールに覆われていることで適度の水分が保たれており、すみかとしても最適な環境だったとみられている。

カブトムシの飼育を担当する網濱望美さん=7月12日午後、鳥取県岩美町
カブトムシの飼育を担当する網濱望美さん=7月12日午後、鳥取県岩美町
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本格飼育、直売所で販売も

 一昨年には菌床の幼虫の数は約800匹にも増加し、同社ではカブトムシの飼育を開始。担当するのは「もともと虫に興味はなかった」という従業員の網濱望美さんで、本やインターネットで調べながらの挑戦だった。

 菌床を解体して土状にし、その中で幼虫を育ててきた。すぐにふんでいっぱいになるため、月に1度は“土壌”の交換が欠かせない。サナギになるための部屋を自力で作れない幼虫のため、トイレットペーパーの芯を転用した。網濱さんは「幼虫の背中から真っ白なサナギが出てくる姿を初めて見て感動した」と振り返る。

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