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【激動ヨーロッパ】ドイツで極右過激化 政治家暗殺に“称賛”の声も

6月13日、中部カッセルで執り行われた葬儀に飾られたリュプケ氏の遺影(AP)
6月13日、中部カッセルで執り行われた葬儀に飾られたリュプケ氏の遺影(AP)

 ドイツで難民支援に携わった地方政治家が6月に殺害された事件の衝撃が収まらない。動機などが確認されれば、戦後のドイツで初めて極右によって政治家が殺害された事件とされている。さらに、殺害を容認する声が公然と上がり、他の政治家らに対する脅迫も相次いだ。極右の過激化に国内では懸念が広がっている。(ベルリン 宮下日出男)

 「この価値を支持できないものは、いつでもこの国を去れる。それはドイツ国民一人ひとりの自由だ」

 ドイツに難民・移民が殺到していた2015年10月、中部カッセル周辺で開かれた集会で地元政治家のワルター・リュプケ氏(65)は、その受け入れに理解を得るために博愛などのキリスト教の価値を唱え、こう語った。

 集会は新たな難民収容施設に関する情報提供のために開かれた。リュプケ氏の言葉は、集会に参加し、ブーイングで説明を遮る排外主義的グループのメンバーを諭すためだった。だが、その言葉にさらに反発が生まれ、3年半余り後に起きる事件のきっかけになったとされる。

■ワイマールの記憶

 事件が発生したのは今年6月2日。リュプケ氏は頭部を撃たれ、自宅で死亡していた。捜査当局は約半月後、容疑者として、かつて極右活動に参加していた「シュテファン・E」という地元の男(45)を逮捕した。当局は、極右思想を背景とした「政治的動機」による犯行とみて捜査している。

 報道によると、「E」は1980年代後半以降、移民や難民を標的とした襲撃などを繰り返していた。過去約10年は鳴りを潜めていたが、当局は「E」と地元の極右過激派組織との間に接触がなかったかも調べている。

 逮捕時に認めた容疑は一転否認したが、当初の供述によると、「E」は15年10月の集会でリュプケ氏を批判した1人。その後、欧州で起きたイスラム過激派テロなどを受け、その責任の矛先を次第にリュプケ氏に向けていったようだ。

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