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インバウンドに人気 進化する菜食メニューの完成度

生で食べられるカボチャ「コリンキー」を薄切りにして花畑のように見立てたカボチャのムース=大阪市中央区、セントレジスホテル大阪
生で食べられるカボチャ「コリンキー」を薄切りにして花畑のように見立てたカボチャのムース=大阪市中央区、セントレジスホテル大阪
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 今秋日本で開催予定のラグビーワールドカップや来年の東京五輪・パラリンピックなど、さらなるインバウンド(訪日外国人客)が見込まれる中、「ベジタリアン」や「ビーガン」と呼ばれる菜食主義者に対応する料理の提供をホテルや飲食店などが強化している。菜食主義者は世界的に増加傾向にあるとされ、インバウンドのうち約5%ともいわれている。食は、旅の醍醐味であるおもてなし。カラフルで美しい見た目や、さまざまな食感など進化している。(木村郁子)

 ベジタリアンは、健康志向や宗教などさまざまな理由で、食べ物を主に植物性のものにとどめる人たち。一方、ビーガンとは卵や乳製品まで摂らない完全菜食主義者。化粧品や革製品や絹織物など身につけるものも含め、ライフスタイル全般に動物性由来のものを一切排除する。ハリウッド女優のケイト・ウィンスレットやナタリー・ポートマンらがビーガンとして有名だ。インスタグラムなどでナチュラルなライフスタイルを発信し、憧れる女性も増えているという。

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 野菜のダシで取ったコンソメスープ、お皿にごろんと乗ったタマネギの焼き物、アスパラガスやトマトなど夏野菜をふんだんに使ったメイン料理…。

 大阪市中央区のセントレジスホテル大阪のフレンチレストラン「ル・ドール」では、今春からディナータイムで「ベジタリアン&ビーガンコース」を始めた。前菜からメインまでもちろんすべて野菜だ。さまざまな食感を織り交ぜ、フレンチの技法を駆使している。

 料理長の駒路和司さん(30)は、「肉や魚を使わなくてもおいしく食べ応えがあるよう、甘みや酸味のバランスも考慮しています。見た目の華やかさもぜひ楽しんで」。以前から外国人のレストラン利用者からリクエストもあり、その都度要望に応えていたが、新しく固定メニューにしたという。

 中でもカボチャのムースは、生で食べられるカボチャの一種、コリンキーを薄切りにして花のようなデザインでトッピング。ヘーゼルナッツをアクセントにし、カリっとした食感を演出した。フレンチの技法を用い、ビーガンのみならず、「インスタ映え」することもあって、人気を博している。

 ホテル椿山荘東京(東京都文京区)でも、カジュアルダイニング「ザ・ビストロ」で「ヴィーグル ヴィーガン&グルテンフリーメニュー」を6月からランチとディナーで開始。動物由来の原材料は使用せず、小麦やライ麦、大麦といった食材などを用いない「グルテンフリー」を組み合わたメニュー。パスタは米粉やトウモロコシを使用した。

 同ホテルでは今年、外国人の利用客が昨年に比べて3割増えているという。観光客が日本でしたいことのひとつ「おいしいものが食べたい」という希望に応えた。

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 日本ならではの菜食主義なら、禅寺の精進料理も当てはまる。京都市右京区の妙心寺塔頭東林院では、住職の西川玄房さんが自らが指導する料理教室「寺のおばんざい 禅寺で精進料理を体験する会」を週に2度開催する。

 「精進料理はつくるのも食べるのも禅の修業のうち」という西川さん。宿泊した外国人からも好評だという。

 メニューは月替わりで、7月は「焼きナスのオクラとろろ」や「五目入りトマトそうめん」「たたきキュウリの梅酢和え」の3品。ダシはカツオなどを使わず、昆布や干しシイタケなどの戻し汁を使用する。

 「ダシを取るために材料を使うのではなく、その材料を料理に使うために取れたダシを活用する。精進とは、単に肉や魚を避けるだけではありません。生きものを殺さない“不殺生戒”の心の一歩先の、野菜や果物であっても、口にするからには大切にする、生かす心なんですよ」と西川住職は話す。

 無駄は徹底的に省き、アクは抜かず、オクラのヒゲも取らない。ナスは焼いて皮をむくから洗わない、という徹底ぶりだ。

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 平成28年から、ベジタリアン・グルテンフリー・アレルギーなど食事に制限がある人に向けたレストランをする紹介サイト「ベジウェル」を展開するフレンバシー(東京都渋谷区)代表の播(はり)太樹さんによると、現在、ベジタリアンに向けたメニューがあるレストランは全国で約1400軒。年々増加傾向にあり、市町村からの問い合わせも増えているという。

 現在はサイト利用者の9割が日本人。月間閲覧者は約20万人に及ぶそうだ。

 播さんは「食糧問題や環境保全を考える人が日本でも増えており、中でも健康志向の人が男女とも目立つ」と分析する。日本でも、ベジタリアンやビーガンではないが、週に何回か菜食主義的な食事を楽しむトレンドもあるようだ。

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