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【医学部受験の現場から(6)】縫合実習を見事40秒で終えた生徒 理解する学習とは 河合塾・山口和彦

 人が「はじめての知識」に出合うとき、どのように学んでいくかには、その人の学習スタンスが影響する。知識系の学びではなかなかそれを外から見る機会は多くないが、先日、医学科志望の生徒を引率しての外部研修で、それをほんの少しだけ実感した。 

 大学の医学部での外部研修では「縫合(ほうごう)」実習があり、生徒は手術用キットを使って2人が交代しながら練習を進めた。

 彼らは持針器(じしんき)(縫合針を扱う器具)で外科用の針を持つことも、シリコンのキットを縫合することもはじめてだから、ほとんどが手際よくいくはずがない。前半で実習する人がもたつくと、後半の人の実習時間が短くなってしまうことになる。 

 時間がやたら押していて、残り1分くらいでようやく交代したペアがあった。すると後半の1人は持針器に針を持ち直し、縫合、結紮(けっさつ)(縛って固定すること)までを「40秒」程度で見事にやってみせた。もちろん、彼にとってもはじめての実習だ。

 彼とは正反対に、途中で止まってもたつく人は、例外なく「えっと次どうだっけ…」とつぶやいている。つまり、「知識の手順」を機械的に覚えて再生しようとしたために、1カ所が欠落すると次に進めないのだ。

 「40秒」の彼は隣の友人の実習中、持針器の構造や針を持つ場所の指示、糸の結び方など、その理屈を理解することに専念していた。つまり、「なぜそうするか」という「知識の意味」が身についているから、行動がスムーズで早かったのである。

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