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【橘ジュンの人生相談】私は薄情なのでしょうか 

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

 断捨離にはまり、気づけばかけがえのないものまでごみ扱いをして捨ててしまったことを後悔しています。

 父が作ってくれたアルバム、母からもらったネックレス、友人からの手紙…。それを私に贈ってくれた人の気持ちを考えずに捨てて、取り返しのつかないことをした、と悔いています。

 人間関係もかなり断捨離してきました。誰とも会いたくなかった時期があり、携帯電話から友人のメールアドレスを大量に消したり、電話番号を変更しても人に知らせなかったこともあります。今では一方的に関係を断ったことを申し訳なく思います。気持ちは晴れず、もやもやしっぱなしです。どうしたら心の整理がつきますか。(神奈川県、30代、主婦)

回答

 声をありがとうございます。

 思い出がつまっているものまで断捨離をしてしまい、後悔しているのですね。贈り物をしてくれた方の気持ちを思うと、捨てるという行為は、後ろめたさを感じてしまいますよね。

 人生を重ねていくと、物も、思い出も、人との関係も増えていきます。しかし、収納には限りがあり、人間関係を受け入れたりする心の器も人それぞれですので、自分にとって大事なものは常に選ばなければなりません。

 私は普段、虐待や暴力などで家族と暮らせない女の子を保護をする活動をしていますが、私たちの所にくる際に荷物の多い子はほとんどいません。着の身着のままで逃げてくる子だっています。何も持たずに家から出てくるのは、生活する上で不自由なことがあるとわかっていても、彼女たちがその時、自分にとって本当に必要なものが何かを知っているからです。

 それは、自分の命とこれから始まる未来です。断捨離という言葉は知らなくても、本能でわかっているのでしょうね。

 今、自分にとって必要なものは何か。必要な人は誰か。守りたいものは何か。この難しい問題と向き合って、自分なりの答えを出すことは、生きていく上で必要不可欠ということになりますが、私自身も過去より、今が大事だと思っています。

 生きるのは「今日一日」だと考えられたら、限りある時間を大切にしたいと心から願って、行動ができるからです。

 連絡がつかなくて会えなくなってしまった人たちとも、お互いに必要だと思った時は、きっとまた会えるはず。

 今、自分の近くにいる大切な人たちを大事に思って、毎日を丁寧に過ごしてさえいければ、たぶんそれでいいのです。一日は一生なのですから…。

回答者

橘ジュン フリーペーパー「VOICES MAGAZINE」編集長。昭和46年生まれ。NPO法人「BOND プロジェクト」で、少女たちを支援している。主な著書に「最下層女子校生 無関心社会の罪」(小学館新書)。

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 〈メール〉life@sankei.co.jp

 〈FAX〉03・3270・2424

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