PR

ニュース プレミアム

【田村秀男のお金は知っている】自動車とセメントでみると「マイナス成長」の中国

 中国政府の発表によると、今年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の前年同期比は6・2%増で、2008年のリーマン・ショック後の2009年1~3月期の同6・4%を下回った。メディアは中国の不況ぶりを伝えるが、待てよ、6%台成長で景気が悪いのか。中国の経済成長率は大嘘なのか。

 拙論は、GDP成長率は「大本営発表」そのものであり、実態はマイナスに落ち込んでいるとみる。

 中国の経済データは政治的動機に左右される。各地に配置される党幹部は所管する地方の総生産を北京に報告するが、党中央が決めたその年の目標値をクリアしないと失点になる。地方幹部は鉛筆をなめて中央への報告数値を水増しする。国全体のGDP成長率はそれらを合計すればよいわけだが、原数値が政治加算されているために、実態に比べて過大な数値になりがちだ。

 北京の党中央官僚はそこで総合調整して、前記のような数値を発表する。党中央が昨年末に決めた6・0~6・5%の実質成長率目標を、今年3月に開かれた全国人民代表大会(全人代)が拍手で承認した。6・2%はしっかりと目標の範囲内におさまっている。

 国家経済の基幹統計がインチキなら、まともな経済政策を打ち出しようがないことは、習近平国家主席に限らず歴代のトップも自覚しているだろう。李克強首相が遼寧省のトップである党書記時代に、人為的操作で決まるGDPに代わって、鉄道貨物輸送量や融資、電力消費を信用できると、米国の駐中国大使に打ち明けたことから、米欧のアナリストはこれらのデータをもとに「李克強指数」を作成し、参考にしていた。しかし、最近ではそれも不規則で景気実態からのかい離が激しい。

 拙論が着目するのが自動車生産台数と、13年から統計値が出るようになったセメント生産量だ。自動車生産は外資との合弁が多いためごまかしがきかないし、セメント生産は政治的裁量とは無関係なのでわざわざ嘘をつく必要はないはずだ。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ