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【藤本欣也の中国探訪】香港200万人デモの衝撃 「天安門」との類似点

 「学生は暴徒ではない」 「若者を撃たないで!」

 「香港人は暴動ではなく暴政に直面しているのだ」

 「気をつけろ! 大陸の公安が香港警察に潜り込んでいるぞ」

 圧倒的に多いのは、6月12日に学生と治安部隊が衝突した際、香港当局が取った対応への怒りだった。

 逃亡犯条例が改正された場合、香港から中国本土に引き渡された容疑者は香港の法律ではなく、中国の法律で裁かれることになる。そうなれば「香港の司法の独立は崩壊し、一国二制度に基づく高度な自治は骨抜きにされる」などの批判が噴出。6月9日のデモに約100万人が集まった。

 「デモ参加者が中国本土に引き渡されることにもなりかねない。香港で自由にデモさえできなくなる」

 そんな危機感をもってデモに加わった市民もいた。

■ ■

 香港での100万人デモは天安門事件直前の89年5月以来だ。その興奮冷めやらぬ中、市民の怒りを増幅させたのが治安部隊の12日の過剰なデモ対応だった。

 その日、治安部隊はゴム弾20発のほか150発以上の催涙弾を撃った。2014年の民主化運動「雨傘運動」で撃った催涙弾は79日間で計87発。今回、わずか1日で倍近く撃ったことになる。負傷者は80人以上。至近距離からの射撃例も報告された。

 しかし林鄭月娥行政長官はその対応を正当化し、中国政府とともに、デモや学生を「暴動」「暴徒」と激しく非難したのである。

 ちょうど、天安門事件の前に、中国共産党機関紙、人民日報が「旗幟(きし)鮮明に動乱に反対せよ」との社説を掲載し、学生運動を動乱と断定したときと似ている。この際も学生が猛反発し、学生運動が勢いを盛り返す結果を招いた。

 香港の「民主の壁」にも、天安門事件で戦車の前に立ちはだかった男性の写真が何枚も張られ、「われわれ香港人も暴徒ではない!」と大書されていた。

■ ■

 香港政府のこれまでにない強硬な対応の背後に、中国当局の意向を感じ取った香港市民も多かったようだ。林鄭氏の対応は市民の怒りに油を注いだばかりでなく、「中国の意向を第1に考え、香港市民に牙をむくことも辞さない」といった自らの悪いイメージを作り上げてしまった。

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