PR

ニュース プレミアム

【藤本欣也の中国探訪】香港200万人デモの衝撃 「天安門」との類似点

6月16日、香港で行われた「200万人」デモ(藤本欣也撮影)
6月16日、香港で行われた「200万人」デモ(藤本欣也撮影)
その他の写真を見る(1/4枚)

 香港が揺れに揺れている。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、200万人もの市民が、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが=キャリー・ラム)行政長官(62)に抗議の声を上げた。実に4人に1人の香港市民をデモに駆り立てたものとは何なのか。6月中旬、香港の地を訪ねた。

■ ■

 香港について本格的に取材をするのは、1998年から2001年まで特派員として駐在したとき以来である。中国への返還(97年)直後のころだった。

 香港到着後、まずは条例改正案の舞台である立法会(議会)に向かった。私の駐在時は、英植民地時代(1842~1997年)にできた歴史的建造物だった。しかし今では移転してモダンな建築物に変わっていた。政府本部庁舎や、行政長官の官邸「行政長官弁公室」もすぐ近くにある。

 行政長官官邸も以前は、英植民地時代の香港総督が住んでいたコロニアルな建物などにあった。現在の場所に移ったのは2011年からだ。

 「そういえばこのあたりに中国人民解放軍の駐屯地があったはずだが…」

 あたりを見渡して、腰が抜けそうになった。なんと行政長官弁公室の隣に解放軍の駐屯地があったのだ。解放軍は1997年7月1日の返還当日、駐留を開始した“中国の香港支配の象徴”である。現在、約6000人が駐留している。

 返還当時の香港市民にとって、89年の天安門事件で中国の民主化を求める学生らを武力弾圧した解放軍は忌まわしい存在だった。

 それなのにまるで、香港政府トップの行政長官を解放軍が庇護(ひご)するかのように隣り合っている。行政長官の後ろに解放軍が控えている-つまり中国共産党がにらみをきかせている-そんな構図にみえた。

■ ■

 地下鉄の駅などと政府本部庁舎を結ぶ回廊の壁に、無数の紙片が張りめぐらされていた。紙には「改正案撤回!」「若者よ、がんばれ!」などの文字が記されている。天安門事件当時、中国の学生らが民主・自由を求めて書いた壁新聞に相当するものだ。香港版「民主の壁」だった。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ