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【アメリカを読む】米企業、トランプ政権の対中関税に反対の大合唱 「中国外し」は両刃の剣

 だが、フラネリー氏は、「(代替候補の工場は)基準達成が難しく、中国に代わる国が見当たらない」と指摘し、サプライチェーンの変更は容易ではないと訴えた。中国のメーカーは、米企業が求める品質や安全に関する基準をクリアし、米企業との取引関係を築いてきた。レガロもこれまでに、中国企業の工場を検査したり、運営状態を監査して取引先を選定した経緯がある。

 フラネリー氏は「ベトナムは中国より人件費は安いのは確かだ」と語る一方、新たにベトナムなどで取引先を選定するのは、膨大な手間とコストがかかると説明した。ベトナムを調達先とする場合はコストが50%増加し、「メキシコなら、さらにかかる」という。

 水道設備の製造業者でつくる業界団体の代表者は、米政府の担当者から「洗練された製品ではない水道機器は代替製造者をみつけやすいのではないか」といった質問を受けた際、「水道の蛇口は長期間、水にさらされるため、米国では独立機関が検査を通じて製品の安全を確保している」などと指摘。中国メーカーを部品や製品の供給元から外した場合、他国から米国基準を達成できない低品質のものが流入する可能性があるとの懸念を表明した。

 トランプ米政権は、中国の知的財産侵害や外国企業に対する技術移転強要などを問題視している。米産業界も懸念を共有しており、中国が問題に対応すべきだとの姿勢は与野党間でも一致している。

 一方、中国が2001年の世界貿易機関(WTO)加盟後、「世界の工場」として経済成長を遂げてきた背景には、「安かろう、悪かろう」の品質水準から脱却し、米国などの先進国の要求水準に対応してきた側面もある。

 トランプ米政権は中国との本格的な貿易戦争も辞さず、ハイテク製品などの中国企業への禁輸措置に踏み切るなど、中国を国際経済から切り離す「デカップリング」に動き出す構えもみせている。

 だが、USTRの公聴会を見る限り、中国を世界のサプライチェーンに組み込んできた「時計の針」を逆戻しにするデカップリングは、米企業にも多大なコストを負担させる「両刃の剣」になると予想される。

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