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【日本語メモ】煩わしいルールも個性のうち?

 5月1日に天皇陛下が即位されて、日本は令和という新しい元号に替わりました。

 産経新聞でも代替わりの前後約1週間にわたって皇室特集の面を設け、平和を追求されてきた上皇さまの平成時代を振り返りながら、新時代に期待を込めた内容をお届けしました。

 正確性を要求されるのは、一般の記事ではもちろんですが、皇室関係の記事はよりハードルが高くなります。校閲部でも念には念を入れて慎重に読み進めていきました。皇室に由来する出来事や歴代天皇の足跡など…。記事の内容が事実と合っているかどうかのチェックすると同時に、神経を使ったのが敬語の表記でした。

 新聞によっては、記事の最初の一文に敬語があれば後の文章にはなくても構わないというところがありますが、本紙では「敬語は一文に1カ所」を原則としています。一文に複数の皇族方の記述があれば、それぞれに敬語が必要となるので、その確認も必要でした。

 さらに「ご出発される」などといった二重敬語も禁止されているため、長い原稿などは何度も読み返して敬語の欠落・重複がないか確認をしました。

 また本紙は和暦を原則としていますので、記者が発表資料などの西暦の記述を和暦に書き直しますが、その際に例えば「2018年」を「平成28年」としてしまうなどのミスが起きることがあります。これに今回「令和」が加わってきたためさらに複雑になってきました。

 例外として国際面など海外での出来事をつづった記事やスポーツ面は西暦表記ですが、大相撲に関しては和暦表記を採用しています。

 このほか産経新聞の表記の特徴として、年齢を計算する際に事案の発生日を基準にしていることが挙げられます。新聞社によっては発行日を基準にしているところがありますので、同じ日付の新聞でも同一人物の年齢が異なっていることがたまにあったりするのです。

 例えば、誕生日の前日に事件を起こした19歳の容疑者が、翌日(誕生日)発行の紙面で報道される場合、本紙では「19歳」、他紙では「20歳」と表記されるといった具合です。

 ところが本紙はここにも例外がありまして、話題になった人物に事前にインタビューをして紹介するような記事の年齢は発行日が基準ということになっています。

 年齢を間違えると訂正記事の掲載に至ってしまうような重要な事項にもかかわらず、新聞や内容によって基準日が異なるのは疑問を感じてしまうところです。

 こういった新聞独特のルールの煩わしさから逃れるために、早く人工知能(AI)が実用化されて活躍してくれ、自分はAIを監視するだけの役割になったらいいなと思うこともあります。

 そこで深夜にタクシーでの帰宅途中に、運転手さんに話しかけてみました。運転手さんも世の中が便利になるAIの発達には賛成で、今後自動運転が実用化されれば自分は乗っているだけなので楽になるし、最近目立っている高齢者の交通事故も減るのではないかということでした。その一方で、完璧な自動運転になると自分の仕事がなくなり失業してしまうという不安ものぞかせていました。

 確かに世界中で乗り物の自動運転が急速に普及していますが、最近では横浜市のシーサイドラインのように万が一の事故が起きることもあります。

 ニュースについても、将来はAIが原稿の執筆から見出し付け、校閲まで担うということになるかも知れませんが、その半面、とんでもない間違いを犯すことも考えられなくはないと運転手さんは心配していました。

 交通事故と同様、誤ったニュースを流すことは、人の名誉を傷つけたり社会に混乱を招いたりすることにつながり、取り返しがつかなくなります。

 仮にAI記者が誕生すると校閲業務はリストラの対象になるともいわれていますが、新聞社によってルールが違うのは個性だと考え、やはり人間の校閲記者が目を光らせてそれぞれの新聞に合った視点でのチェック機能を果たせるよう、常に感性を磨きながら新聞づくりに励まなければと考え直しました。

(二)

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