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【中東ウオッチ】石油利権めぐり真っ二つ リビアで泥沼の代理戦争

2018年5月、仏パリのエリゼ宮を訪問したリビア国民軍(LNA)のハフタル司令官(中央)。LNAは今年4月以降、リビアの首都トリポリ周辺で暫定政権側と激しい戦闘を展開している(ロイター)■■
2018年5月、仏パリのエリゼ宮を訪問したリビア国民軍(LNA)のハフタル司令官(中央)。LNAは今年4月以降、リビアの首都トリポリ周辺で暫定政権側と激しい戦闘を展開している(ロイター)■■

 リビアで東部を拠点とする有力軍事組織「リビア国民軍」(LNA)と、西部の首都トリポリを拠点とする暫定政権側との戦闘が本格化して、6月上旬で2カ月が過ぎた。戦闘は泥沼化をたどり停戦の兆しもみえない。石油利権もからんで米露に欧州、中東の国々までが真っ二つに割れ、国際社会が結束できないことが背景にある。国連当局者は「長い血まみれの対立の始まり」になると警鐘を鳴らしている。(カイロ 佐藤貴生)

■代理戦争

 ハフタル司令官率いるLNAは4月上旬、リビア東部から西部に向け進攻を開始し、トリポリ周辺で暫定政権側のイスラム過激派と激しい戦闘を展開。600人以上が死亡、3000人以上が負傷し、7万人以上が家を捨てて避難した。

 ハフタル氏はイスラム過激派を「テロリスト」とみなして壊滅を掲げており、過激派の勢力拡大を警戒する隣国エジプトやサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の支援を受ける。国連は5月上旬、「LNAのミサイルはUAEが供与している可能性がある」との報告書を出した。また、距離を置いてはいるがロシアもこちらの陣営に属する。

 これに対し、トルコやカタールはイスラム色が濃い暫定政権を支援。5月下旬にはトルコが自国の装甲車を持ち込み、暫定政権側の民兵の軍事教練を行っているとされる映像が流れた。

 中東で定着しつつある関係諸国の「分裂の構図」がリビアに持ち込まれた格好で、富裕な湾岸諸国などが資金力に物を言わせて双方に兵器を供給し、代理戦争をあおっている。周辺国の介入を招いたという点では、9年目に入ったシリア内戦とも似た展開だ。

■「警察官」不在

 さらに事態を複雑にしているのが米国の動向だ。トランプ米大統領は4月中旬、ハフタル氏と電話会談し、「テロとの戦いや石油資源の保全で、重要な役割を果たしている」との見解を示し、LNA支持の立場を表明した。

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