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【大前恵の勝つための食育】上原投手から告げられた突然の引退

5月20日に引退会見を開いた上原浩治投手=東京都千代田区(桐原正道撮影)
5月20日に引退会見を開いた上原浩治投手=東京都千代田区(桐原正道撮影)

 会場が一瞬、静寂に包まれました。巨人の上原浩治投手の現役引退会見が開かれた5月20日。壇上に腰掛けた上原投手は冒頭のあいさつの途中で言葉に詰まり、涙を抑えられなくなりました。その姿を見て、私も思わずもらい泣きさせられました。

 プロ3年目のオフから栄養面でのサポートを続け、今年が18年目。これまでの思い出が頭をめぐりました。

 引退会見が行われた前の週の金曜日。私はたまたま、上原投手が練習している2軍のジャイアンツ球場(川崎市)を訪れました。練習後の上原投手と少し立ち話をした後、「これから球団の人と話があるので」と言われました。深く考えることなく、電車で都心へ戻っていると、上原投手から通信アプリのLINEが入りました。

 「急にすみません。(週明けの)月曜日に引退会見をします」

 突然の出来事に頭が真っ白になり、電車の中で周囲を気にする余裕もなく、涙がこみ上げてきました。

 左膝手術を経て迎えた今シーズン、上原投手の1軍復帰を信じていました。上原投手の現役最後の2試合は、偶然にも休日を利用して観戦に行くことができました。

 ラスト2回の登板。特にロッテ戦で上原投手が本塁打を浴びたのを見たときは、とてもショックでした。私自身は管理栄養士として栄養面でのサポートに関しては専門ですが、野球の技術に関しては全くの素人です。

 これまで、野球に関することを伝えたことはなかったのですが、上原投手が本塁打を打たれたことがよほどショックだったのか、その日の帰りにLINEを送りました。

 「お疲れさま」と送ると、「ダメだった」と珍しく弱気なコメントが。たまらず、「我慢。もっと見下ろして投げてほしい。とにかく応援しています」と返しました。

 「見下ろして投げて」などと、私に投げ方をとやかく言われたくないだろうなと失礼を承知の上で、何とか殻を破ってほしくて、言葉を打ち込みました。

 上原投手の現役時代を振り返ると、不思議とどん底だったときの姿が最も印象に残っています。2008年北京五輪前の時期でした。上原投手は開幕から調子が上がらず、2軍での調整を強いられていました。体調が悪いわけでもなく、トレーニングを怠っているわけでもない。やるべきことをすべてこなしていました。不調の原因が分からない状況で、きちんとした食生活も徹底したので、私からも何もアドバイスを送ることができませんでした。「何もできないって、こういうことなんだ」と悔しさがこみ上げてきました。

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