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【河村直哉の時事論】「対米追従」論の不毛 左派こそ改憲を訴えよ

 過日、来日したトランプ米大統領への日本側のもてなしぶりを、過剰すぎると批判する声があった。野党や左派メディアからである。安倍晋三政権への嫌みで終わるなら底が浅い。日本の米国に対する関係がなぜこのようなものになるのか、問題の根を考えるべきである。

トランプ氏接待への批判

 筆者は今回の歓待ぶりを特に過剰とはみなさない。同盟関係にある国の元首をていねいにもてなしたというだけのことである。日本が置かれた現在の危険な安全保障環境を考えれば、目くじらを立てるほどのことでもない。ところが野党は「安倍晋三首相はツアーガイドか」(辻元清美・立憲民主党国対委員長)などと、事前から批判のトーンを強めた。

 象徴的な批判の言葉が「対米追従」であろう。「もてなし外交の限界 対米追従より価値の基軸を」とは、5月28日付朝日新聞社説の見出しである。「国賓を丁重に迎えるのは当然だが、度が過ぎると言わざるをえない」「トランプ氏に擦り寄るだけでは、国際社会における日本の責任は果たせない」。本文で朝日はそのように書いた。

 同日付の毎日新聞社説は「米大統領への特別待遇 長期の国益にかなうのか」という見出しを取り、「良好な関係を世界にアピールしても、対米追従とみられれば外交上の得点にはならない」とした。

「従属」「隷従」

 このような用語法はむかしからあるものなのである。アメリカへの依存を「従属」といったり「属国」といったりする。左派ばかりでなく保守にもそのような表現はある。ここでは左派の流れを簡単に振り返っておこう。

 戦後政治の枠となった保守と革新の55年体制が昭和30年にできる前、社会党は左派と右派に分かれていた。より共産主義に近い左派社会党の綱領は、日本を次のように位置づけていた。

 「アメリカ帝国主義とこれに従属する日本独占資本とによる搾取」

 「アメリカは、隷従する日本を軍事力として対ソ対中共戦略に利用する政策に転換した」

 つまり日本は経済的にも軍事的にもアメリカに「従属」「隷従」しているというのである。

 共産党も1961年綱領で、日本はアメリカになかば占領された事実上の従属国の状態にある、とした。

 社会主義ないし共産主義は、資本主義への批判から生まれたものである。だから、特に東西冷戦さなかの当時、左派がこのような立場を取るのは不思議ではない。親ソ連、親中国の立場からも左派は、アメリカを、またアメリカと連携しようとする日本の政府与党を敵視することになる。

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