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【日本語メモ】目上の人につき従う「随行」

 5月末には、令和初の国賓として米国のトランプ大統領夫妻が招かれ、来日しました。宮中晩餐会には、公式随行員も出席していました。本国から空輸してきた頑丈な大統領専用車を中心に長い車列ができていました。相当数の随行員がいたのでしょうね。

(1)空母には、巡洋艦や駆逐艦が随行している。

話の流れに沿って、「随行」を取り上げます。「随行」は、「地位の高い人や目上の人につき従って行くこと」(大辞林)。「随行員」は、大統領などに対しては適切な表現です。しかし、例文のように物の移動について使用するのはふさわしくありません。艦隊を少し擬人化した表現なので、今回は「同行」と直しました。

(正解例)空母には、巡洋艦や駆逐艦が同行している。

(2)主将はリーグ次戦での雪辱を誓った。

「雪辱」は「恥をそそぐこと」「試合で前に負けた相手に勝つこと」を言います。リーグ戦では通常、次戦は異なる相手になりますので、「雪辱」ではニュアンスが違います。そこで「巻き返し」と書き換えています。

(正解例)主将はリーグ次戦での巻き返しを誓った。

(3)A店は内装も豪華で、敷居が高いイメージだ。

 校閲記者泣かせの「敷居が高い」が出てきました。「敷居」は「門の内外を区切り、また部屋を仕切るために敷く横木」(大辞林)。「敷居が高い」は本来「不義理・不面目なことがあって、その人の家に行きにくい」という意味。本来の用例はほぼ見られず、書き換え要請が多い慣用句です。「高価で」「格式が高く」行きづらい、入りづらいという意味で誤用されています。反対語の流れで「敷居が低い」という表現まで出てきてしまって、歯止めをかけるのに苦労しています。

(正解例)A店は内装も豪華で、入りにくいイメージだ。

(4)保護観察者を更正させる。

 「更生」は「生まれ変わる」「生きかえる」「再起する」という意味です。「会社更生法」や生活保護法における「更生施設」はこれに該当します。一方、「更正」は「正しいものに改めること」。登記に錯誤があったときに訂正するのは「更正登記」。他の例文では「税金の減額更正の請求を行う」などがあります。 用例としては少ないはずなのに、原稿の表記としては「更正」の方をよく見かけるイメージがあります。

(正解例)保護観察者を更生させる。

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