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裁判員10年 裁判官インタビュー(18)「理想形にはまだ道半ば」福岡地裁・溝国禎久裁判官(55) 約40件担当

福岡地裁の溝国禎久裁判官=4月25日、福岡市(滝口亜希撮影)
福岡地裁の溝国禎久裁判官=4月25日、福岡市(滝口亜希撮影)
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(聞き手・滝口亜希、件数は担当した1審裁判員裁判の数)

 --裁判員制度が21日で施行から10年を迎えました。制度の施行によって、刑事裁判全体に変化はあったと感じますか。変化したとすればどのような点でしょうか

 「刑事裁判は変わったと思っています。おそらくこれからも変わっていくんだろうと思いますが、少なくともこの10年で変わってきたなと思いますし、裁判員裁判以外の刑事裁判も変わりつつあるのではないでしょうか。一番変わったのは、裁判官に『法廷で心証を取る』という意識が強くなった点です。そして、できればそういった刑事裁判を、裁判員裁判でない裁判でもできるといい、と思っている裁判官が増えたんじゃないでしょうか」

 「とりわけ裁判員裁判については、これまで法律家が専門用語など分かりにくい表現を使っていたところを、裁判員に分かりやすい審理ということで、裁判官、検察官、弁護人の意識を変えるきっかけになりました。やはり法律には難しい面がありますが、裁判員には『よく理解した上で責任を持って判断し、発言してくださいね』とお願いしています。ですから『検察官、弁護人がきちんと説明してくれるはずです』と言っていますし、実際にそうなってきています。説明をしようとすると、難しい専門用語で話していたことの本質が一体、どういうことなのかということを正確に理解し、かつ、それを分かりやすく伝えることが必要になります。弁護人と検察官と裁判官だけが分かる符丁で話して、被告人や傍聴人を置き去りにするような裁判ではもうやっていけない、という意識はおそらく皆、持っていると思います」

 --裁判官の仕事の進め方に変化はありましたか 

 「刑事裁判の変化とも関係あると思いますが、裁判員制度が始まって大きく変わったところは、調書に過度に頼っていた裁判から脱却したいという意識があり、それによって、裁判官が裁判官室で記録を読むという時間は随分、減りました。膨大な記録を一生懸命、読み込んで、精緻な職人技のような判決を書くということはなくなってきました。むしろ、裁判官室でなく、評議室で裁判員とよく話して、いろいろな話を聞くという時間の方が多いです。法廷で見聞きしたことを基に評議室で皆で話し、話した内容をごく短時間のうちに判決としてまとめるという作業です」

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