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裁判員10年 裁判官インタビュー(17)「出席率100%に感動」松山地裁・末弘陽一裁判官(49) 約70件担当

松山地裁の末弘陽一裁判官=4月23日、松山市(滝口亜希撮影)
松山地裁の末弘陽一裁判官=4月23日、松山市(滝口亜希撮影)
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(聞き手・滝口亜希、件数は担当した1審裁判員裁判の数)

 --裁判員制度が21日で施行から10年を迎えました。制度の施行によって、刑事裁判全体に変化はあったと感じますか。変化したとすればどのような点でしょうか

 「裁判員裁判の導入をきっかけとして刑事裁判は大きく変わりました。裁判員裁判自体は刑事裁判全体の1・6%ほどの割合しか占めていませんが、刑事裁判全体に大きな影響を与えています。裁判員裁判の導入をきっかけに刑事裁判の『あるべき姿』が追求される中、刑事訴訟法の本来の理念である、刑事裁判の目的である犯罪事実の有無および量刑を決する上で必要な範囲で審理・判断を行うという『核心司法』、そして、裁判官と裁判員が法廷で必要な証拠に直接触れて的確に心証をとるという『公判中心主義』の重要性が法律専門家に理解・共有されました。そして、こうした裁判員裁判での運用は非対象事件にも広がりつつあります」

 「また、控訴審との関係でも変化がありました。裁判員裁判で行われた1審判決に対して控訴があった場合でも、裁判員裁判対象外の裁判と同様、2審での裁判官だけの判断によって結論が変わることは制度上、あり得ることです。ただ、その場合でも、2審の控訴審に対しては、裁判員の方々の努力に見合う一層重い説明責任が求められますし、これが控訴審の慎重な判断につながっていると考えられます。仮に結論が変わったとしても、決して、1審判決が無駄になっているわけではありません」

 --裁判官の仕事に変化はありましたか

 「これまでの裁判官同士の議論では、殺意や責任能力などの法律概念の意味などについて、当然分かっていることを前提に議論を進めることも少なくありませんでした。ただ、裁判員との評議で法律概念などを説明するとなると、専門用語を使うことはできず、その概念が本当に意味するところに立ち返って説明することになります。そして、『平易な言葉で』『端的に』表現することが大事になってきます。また、『裁判員裁判』という共通のキーワードができたことによって、裁判官同士、あるいは法律専門家との間で、刑事裁判のありかたに関する意識改革が大きく進み、『刑事裁判手続きの本質は何か』という基本的な部分からの議論・取り組みが進みました」

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