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【ユーロ経済学】政治主導で巨大合併を 欧州、米中との競争に焦り

5月2日、パリで電気自動車(EV)用電池の共同生産計画を発表したアルトマイヤー独経済省(右)とルメール仏経済・財務相=AP
5月2日、パリで電気自動車(EV)用電池の共同生産計画を発表したアルトマイヤー独経済省(右)とルメール仏経済・財務相=AP

 欧州で今年に入り、鉄道や金融の大手企業の統合の試みが相次ぎ挫折した。いずれもドイツやフランスの政府が支援したもので、規模で勝る米中企業との競争で欧州の産業が生き残るため、欧州も規模拡大による「チャンピオン企業」が必要との危機感が背景にある。ただ、政府が介入する産業政策は公正な競争を損なうとの懸念もあり、議論も起きている。(ベルリン 宮下日出男)

 「株主の利益にならないことが明白になった」

 4月25日、こう声明を発表し、経営統合の協議打ち切りを発表したのは、ドイツ最大手のドイツ銀行と同大手のコメルツ銀行だ。ドイツ銀は収益力低下と相次ぐ不正を受けて経営再建中。コメルツ銀は2008年の金融危機で公的資金を注入されている。統合で経営基盤の強化を図ることを目指していた。

 統合を強く後押したのは、ショルツ財務相らドイツ政府とされる。ドイツは特に中小企業が多く、その経済を牽引するには主要行が海外銀行に買収されるのではなく、「強いドイツの銀行」が欠かせないとの認識があったためだといわれる。

 だが、経営統合には両行で大規模な人員削減が必要とされ、労組が強く反発。実現すれば総資産で欧州3位の銀行が誕生するはずだったが、その構想は泡と消えた。

■競争法は「時代遅れ」

 これに先立つ2月には、独仏両政府が推進した独鉄道車両大手シーメンスと仏同業大手アルストムの鉄道事業の統合計画が、欧州連合(EU)の欧州委員会によりEU域内の公正な競争を損なうとして競争法(独占禁止法に相当)違反と判断され、頓挫している。ドイツ銀とコメルツ銀の破談はドイツ政府としては“政治主導”の統合の2度目の挫折だ。

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