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【変わる法廷 裁判員制度10年(4)】刺激的な遺体写真 証拠採用の是非、検察と裁判所が攻防

■録画再生でも対立

 証拠採否をめぐる対立は刺激証拠だけではない。

 今年6月から裁判員裁判対象事件で義務付けられる取り調べの録音・録画(可視化)。すでに検察、警察は一部で試行しており、映像証拠の録画を裁判でも積極的に活用したい方針の検察に対し、裁判所では慎重な意見が多い。

 もともと「強制ではなく自分の意思で供述したか」という任意性を判断する補助的な証拠として想定されていた録画について、最高検は27年2月の通達で、必要に応じて「実質証拠として請求することを検討する」との方針を示した。実質証拠は、犯罪自体を証明するために供述調書に代えて用いる証拠。この通達で検察側が録画を証拠請求する例が相次いだ。

 こうした傾向に裁判所がクギを刺したことがある。1審宇都宮地裁で録画が7時間超再生された栃木女児殺害事件(17年)で東京高裁は30年8月、録画で犯罪事実を直接認定したことを「違法」とし、「録画で自白の信用性を判断しようとすることには強い疑問がある」と指摘したのだ。

 供述依存からの脱却を目指した裁判員裁判では、裁判員らが法廷で被告から直接話を聞き、心証を取るのが大前提だ。高裁判決には裁判が「取り調べの様子を視聴する手続き」になることへの警戒感がにじむ。

 ある検察幹部は「裁判所は刺激証拠や録画という『生もの』を回避する傾向にある。本当にそれでいいのか」と嘆く。

 今後も「二大証拠」をめぐる攻防は続きそうだ。

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