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【近ごろ都に流行るもの】「ハートニットプロジェクト」(下)「全額還元」への共感、被災地に新産業

取り組みに共感し、ボランティア事務局を訪ねてきた佐藤繊維の佐藤正樹社長(後列中央)=3月21日、盛岡市(ハートニットプロジェクト提供)
取り組みに共感し、ボランティア事務局を訪ねてきた佐藤繊維の佐藤正樹社長(後列中央)=3月21日、盛岡市(ハートニットプロジェクト提供)
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 多くの善意を巻き込み、8年間でニット小物販売5500万円超を被災者に届けた東日本大震災復興支援「ハートニットプロジェクト」(本部・盛岡市)。原動力は「売り上げの100%を被災者のアミマーさん(編み手)に還元する」という、シンプルかつ無謀!な主婦ボランティアたちの“ミッション”だった。約30人のアミマーさんが今月、企業と契約。被災者を脱し、プロとして自立する。“奇跡”をなぜ起こせたのか? 識者の見解を交えながら考えてみたい。(重松明子)

 「すべての売り上げを還元すると聞いて驚いた。『早晩立ちゆかなくなる』と助言しても、ガンとして譲らない。長年さまざまなボランティア活動に関わってきたが、こんな団体は初めてでした」

 震災の翌月、教職員による「東京大学被災地支援ネット」の立ち上げに参加した社会学者の清水亮・東京大大学院准教授(52)は、ハートニットとの出会いをこう語った。

 ボランティア団体が、売り上げから必要経費を差し引くのは常識。だがそこには、「もうけているのでは」という誤解が付いて回る。一方で、ハートニットは完全な手弁当。「無償どころか持ち出しを実行されると多くの人は頭が上がらず、思いに共感し、ついて行こうという気持ちが生まれる」(清水准教授)

 事実、「全額被災者へ」の透明性は、効力を発揮した。

 材料の毛糸が寄付で集まり、各地で販売会場が無償提供された。産経新聞東京本社がある東京サンケイビルも定期会場のひとつだ。ボランティアの福地ひとみさん(34)は、「告知記事が載った朝には、読者が開場前から並んでくれた。寄付金を持参される方もいた」と明かした。

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