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裁判員10年 裁判官インタビュー(7)「質問を受け、自分の引き出し増えていく」最高裁・内藤恵美子調査官(40) 約30件担当

最高裁の内藤恵美子調査官=3月27日、東京都(萩原悠久人撮影)
最高裁の内藤恵美子調査官=3月27日、東京都(萩原悠久人撮影)
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(聞き手・加藤園子、件数は担当した1審裁判員裁判の数)

 --裁判員裁判の評議ではどんなことに気を付けていますか

 「よく似た『法令解釈』と『法令適用』の線引きが難しいと思っています。法律では、法令解釈は、裁判官から裁判員に説明することになっています。法令適用は、裁判員のみなさんと一緒に考えることが求められています。法令解釈は、まずはやさしい言葉で。一方で法律要件の本質をとらえ、正確で誤解がないようにしないといけません。説明事項の中で難易度の高いものとして『責任能力』や『共同正犯』があります。まずは説明する裁判官が法律要件について分かっていないといけません」

 「裁判官裁判の時代は、そこをあまり詰めて言語化しなくても仕事が回っていたように思います。業界用語というか、マジックワードがあり、裁判官同士でわかり合えた気になっていました。でも実際に本質が何か、裁判官同士で議論してみると、結構理解が違っていたりして。裁判員のみなさんが加わって、ごまかしが通用しなくなったといいますか。頑張って研究しないといけないと思います」

 --初めて裁判員裁判に携わったときから説明に当たられたのですか

 「長崎地裁にいたときに裁判員制度が始まり、右陪席として裁判員裁判に携わってきました。長崎の時に考えていた説明を今になって振り返ると、もっといい説明があったかもしれないなとも思います。裁判員裁判が始まって、裁判例を勉強したり、専門家の著書を読んだりすることが増えました。本当にベストな説明ができているのかどうかは、永遠の課題です。裁判員が質問してくれる度に自分の引き出しが増えていきます。答えに窮したり、ほかの裁判官に助けてもらったりすることもありますけれど」

 --裁判員と一緒に考えるときはどのような姿勢で臨むのですか

 「私自身、分からないと思うことや、悩むことも多いです。素直に『ここ悩んでいます』とか、『ここ分からないんです』と口にして、周りの人の意見を聞くようにしています。結構評議室から戻ってくると、独り言のように『ここ分からないなー』なんて口にしています。言うと、両脇の裁判員や補充裁判員が『こういう意味じゃないか』と答えてくれたり、私が見落とした証拠を指摘してくれたり、自分と違う見方を提示してくれたりします。みんな記憶が鮮明なので感じていることがあるんですね」

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