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裁判員10年 裁判官インタビュー(6)「裁判が立体的、カラフルに」仙台地裁・大川隆男裁判官(45) 22件担当

仙台地裁の大川隆男裁判官=3月27日、東京都(萩原悠久人撮影)
仙台地裁の大川隆男裁判官=3月27日、東京都(萩原悠久人撮影)
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(聞き手・加藤園子、件数は担当した1審裁判員裁判の数)

 --裁判員裁判の導入で、刑事裁判はどう変わりましたか

 「刑事裁判が立体的に、あるいはカラフルになりました。社会の多様な経験が刑事裁判に持ち込まれ、裁判員の方々と証拠や量刑事情を評価していく。裁判官裁判も間違っていたとは思いませんが、比較的定番化しやすい。裁判官だけの判断よりやっぱり厚みが増すなあと思いますね。評議を通じて裁判員の話を聞いているとしみじみ思います」

 「結局、専門家同士では、法的に正しい、証拠的に正しい、論理的に正確であるといった点が重視されていました。業界トークと言いますか。法律家目線で正しさを追究していくと大体細かすぎる作業になる。見る人が見れば『すげー』ってなったと思いますが、国民から見たら『なんだこれ』というところがあって。1つ目の供述調書と2つ目を比べてちょっと違うことを発見して喜んでいたようなところがあったのですけど、じゃあそこまで必要だったか、結論に意味があったのかといえば行き過ぎていたんじゃないかと思います。『精密司法』と呼ばれますが、今の『核心司法』でもクオリティーは下がっていません」

 「刑事裁判とは何だったのか。必要な要素を絞って突き詰めた結果、裁判が非常に分かりやすくなりました。本来の刑事裁判の理念に沿っていると考えます。基本的には法律家のための仕事ではなく、国民に還元されなければなりません。その観点がこれまで若干抜けていたのかなと思います」

 --裁判官の仕事の変化はありましたか

 「とても合理化されました。昔の刑事裁判の特徴は、裁判官室に戻って法廷でもらった大量の調書を読んでいました。1つの事件で最大でロッカー2つ分になることもありました。公判期日が飛び飛びなので、また同じ記録を何度も読み返すという効率の悪い仕事をしていました。もちろん裁判員裁判の連日の審理も大変です。判決までは朝から夕方まで、集中力と体力を要するのですが、裁判員のみなさんとの評議は非常に効率的。以前のように目をチカチカさせながら資料を読み込むということはなくなりました。メリハリのついた仕事になりました」

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