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裁判員10年 裁判官インタビュー(1)1号事件「場の雰囲気に飲まれぬように」高松高裁・秋葉康弘長官(63)32件担当

高松高裁の秋葉康弘長官=4月22日、高松市(滝口亜希撮影)
高松高裁の秋葉康弘長官=4月22日、高松市(滝口亜希撮影)

 国民が刑事裁判に参加する裁判員裁判は21日に施行から10年を迎える。刑事裁判の大きな変化を裁判官はどう受け止め、審理・評議に取り組む裁判員の姿は裁判官の目にどう映ったのか。産経新聞は裁判員裁判を担当した裁判官20人にインタビューした。(聞き手・滝口亜希、件数は担当した1審裁判員裁判の数)

 --裁判員制度が21日で施行から10年を迎えました。制度の施行によって、刑事裁判全体に変化はあったと感じますか。変化したとすればどのような点でしょうか。また、裁判官の仕事に変化はありましたか

 「裁判員裁判が施行される前は、たとえば、弁護側が起訴内容を争う否認事件の争点判断の分かれ目がどこになるのか、請求されている証拠がその判断とどう関連しているのかなど、争点や量刑の判断に与える影響の軽重に見合うような証拠調べになっているのか、ということについて十分な検討がないまま、審理を進めていたという面があったと思うんですね。検察官、弁護人は関連がありそうだと思っている事実を主張・立証し、裁判所もそれを許容して網羅的に判断を示していた面が、一部にはありました。そのため、審理や判決が冗長で分かりづらいという感想を持たれがちだったのかなと思います。私も含めて多くの裁判官がそれを改善しようと努力して、少しずつは変わっていたと思いますが、歯がゆい思いをしていたところもありました。それが、裁判員裁判が導入されたことを契機として、大きく変わったと思うんですね」

 「否認事件の争点判断の分かれ目となるポイントはどこか、請求されている証拠はそれにどう関連しているのか、当事者が主張する事実は量刑にどの程度影響を与えるのか、それに見合った立証になっているのか-ということを公判前整理手続きでしっかり検討して、実際の審理を経て判決に行く。そういう『核心司法』のあり方を裁判官の間で再確認し、この方向で進めようという流れが検察官、弁護人にも浸透していきました。この動きは裁判員裁判以外の刑事裁判にも波及しており、そういう意味では、刑事裁判全体が変わったと言えます」

 「裁判員裁判でキーワードとなったのは、裁判員にとって分かりやすい裁判です。そういう裁判をしないと成り立たない。裁判員にとって分かりやすい裁判とは何だろうかと考え、最終的に行き着いたのが『公判を中心とした核心司法』でした。刑事裁判の目的は『被告人が犯罪事実を行ったのか』『行ったとしたらどういう量刑が妥当なのか』という2つを判断することです。それにスポットをあてて、検察官や弁護人も含めて今の形になってきました」

 --判決文の書き方にも変化はありましたか

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