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【近ごろ都に流行るもの】「ハートニットプロジェクト」(上)東北の被災者がプロに、毛糸が繋いだ女性たちの復興

 3人の家業はともに漁業。自宅と船を津波で失い、「恐かった」「もうおしまいと途方に暮れていた」と当時を振り返るが、乗り越えた今の表情は、自信と希望にあふれていた。

 毎日手先を使って編んでいるからか、みんな歳よりも若くて元気。自作のサマーニットでおめかししている人も目立つ。「避難所に持ってきてくれた毛糸を受け取ったときから、新しい道が開けたんです」

 約30人のアミマーさんと契約を結んだ企業は現在7社。英国ブランド「マーガレットハウエル」、「M.&KYOKO」の佐藤繊維などが名を連ねる。

 「今、南三陸チームで展示会にミトンと帽子を出品しています。受注が来るかドキドキなの」とは、宮城県南三陸町の西城たえ子さん(69)。「津波で街がなくなり、ご近所もバラバラになってしまったけど、ニットによってまた新しい仲間たちと出会えた。励まし合いながら復興を目指してこられた」としみじみ。

 技術指導に当たってきた編み物講師の村上祐子代表(77)は、「心を鬼にして編み直してもらったこともありましたが、どんどんレベルが上がってもう十分な実力。みなさんすごいでしょう」と、太鼓判を押した。

 活動の始まりは震災の翌月。岩手県雫石町のスキースクールの女性たちが沿岸の被災地に支援物資を届ける際、食料や衣料だけではない「心の癒やし」の必要性に気付いた。

 スクールの校長夫人でボランティア事務局を務める松ノ木和子さん(67)によると、「男性の被災者はがれき処理などの力仕事で外に出るけれど、女性は避難所でやることがなく喪失感にうちひしがれていた。編み物でもしてもらったら心の張りを取り戻せるのではと、家庭に眠っている毛糸の寄付をネットで呼びかけたんです」。

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