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フラガール、再び全国キャラバンへ 豪雨や地震の被災地

東日本大震災後の先輩フラガールらの思いを受け継ぎ、再び全国キャラバンに出るダンシングチームの現キャプテン、アウリイ晴菜さん
東日本大震災後の先輩フラガールらの思いを受け継ぎ、再び全国キャラバンに出るダンシングチームの現キャプテン、アウリイ晴菜さん
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 映画「フラガール」のモデルとしても知られる、「スパリゾートハワイアンズ」(福島県いわき市)のダンシングチーム(通称フラガール)が、東日本大震災後以来、8年ぶりに全国キャラバンに出る。「つながりや絆を体感する機会を現役のダンシングチームにも」との思いから、近年の豪雨や地震などの被災地などを訪問する。  (文化部 兼松康)

 現在の現役フラガールは40人。震災の発生した平成23年に「スパリゾートハワイアンズ」を運営する常磐(じょうばん)興産に入社したフラガール、アウリイ晴菜さんがチームのキャプテンを務めている。

 アウリイさんは昨年12月、西日本豪雨で大きな被害のあった広島市内の「平成ヶ浜仮設団地」を、後輩ダンサーと2人で訪問。集会所でフラダンスを披露し、被災者らから大きな拍手を浴びた。

 その際、「来年(ハワイアンズに)行くからね」と言ってくれた夫婦が今春、実際にハワイアンズを訪れたという。「お顔を拝見した瞬間に分かって。お2人は『広島に来てくれて、ありがとうね』とお礼を言ってくださいました」と、その再会を振り返る。

 お礼の手紙をくれた男性も、同所に宿泊に訪れたという。アウリイさんは「改めてつながりの大切さを強く感じた。日本各地で災害などがあるたびに、何かできることはないか、と考えていた」と明かす。

 スパリゾートハワイアンズは、東日本大震災で被害を受け、営業休止を余儀なくされた。加えて、地元のいわき市や福島県、東北地方全体が、原発事故の風評被害にあえぐこととなったが、その復興に立ち上がったのがフラガールだった。

 当時のフラガールのメンバーで、現在は現役ダンサーを退いてダンシングチームの副主事を務める猪狩梨江さん(フラガール時代は大森梨江さん)は、「先が見えない状況でしたが、当時のメンバーの思いと会社の思いがひとつになって、全国キャラバンはスタートした」と話す。

 「震災後の厳しい状況の中、『本当に笑いながらフラを踊っていいのか』という葛藤があり、キャラバンの最初、いわき市内の慰問公演に向かうバスの車中はシーンとして緊迫感が漂っていた」と明かす。だが、地元の被災者も大喜びで、「逆に元気をもらって帰った。そこで背中を押され、次の地に飛び立つことができた」と振り返る。

 あの全国キャラバンから8年がたち、当時のキャラバンを経験した現役フラガールは、ソロダンサーのマカレア麻衣さん一人だけとなった。アウリイさんは震災の年に入社していたが、キャラバンには参加していない。

 実は、昭和41年の「常磐ハワイアンセンター」(当時)の開業前にも、初代のフラガールたちによるキャラバンが行われた。

 石炭から石油へのエネルギー革命の波を受け、炭鉱閉山の危機に直面した常磐炭鉱(常磐興産の前身)が従業員とその家族を守るためにオープンしたのが常磐ハワイアンセンター。その売り物として考えられたのが、フラダンスを中心とした「ポリネシアンショー」だった。

 開業前の40年8月からは、東京都から青森県までの主要都市30カ所をキャラバンで渡り歩いた歴史がある。このときは施設のPRが目的だったが、各地での声援などによる支えやつながりを大切に感じる思いが、その後のフラガールらの“DNA”として受け継がれているのだ。

 猪狩さんは「話には聞いていたけれど、そのときの先輩方の思いは、自分たちがキャラバンを回ってからようやく実感できた。本当にいろんな人の支えがあってこそ、フラガールの歴史は続いている。今のメンバーも感謝の気持ちを忘れずに、そのタスキをつないでほしい」と話す。

 アウリイさんも「いろんな地域の方の応援があったからこそ、今、こうしてまた踊れている。感謝の気持ちや当時の思いも込めて、踊りを見てもらえたら」と意気込む。

 今月26日には8年前のメンバーが集まり、全国に飛び立つ現役ダンサーにエールを送る特別公演が、スパリゾート・ハワイアンズで行われる。

 今回のキャラバンでは、熊本県益城町や広島県呉市、岡山県倉敷市など、近年の地震災害や豪雨水害などで被災した地域を中心に、12月まで20カ所程度を回る予定。

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