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【経済インサイド】EV時代の到来に「待った」 トヨタ、虎の子技術を開放する深慮

 開放されるのは、2万3740件の特許の実施権。モーターやPCU(パワー・コントロール・ユニット)、システム制御、エンジン、充電機器などが対象で、無償提供の期限は令和12年(2030)末まで。トヨタに申し込み、具体的な実施条件などを協議の上、契約を締結する。有償の技術支援では、車両の電動化システム全体の調整に関する助言などを行う。

 トヨタの寺師茂樹副社長は4月3日、特許開放についての会見を名古屋市内で開いた。「われわれのふるさとである『ホームプラネット』(地球)という概念を持ち、二酸化炭素(CO2)排出量を抑制するには、エコカーの普及拡大が必要だ」と、環境への貢献を前面に押し出した。

■環境規制で有利に

 会見での記者の関心は、今回の方針がトヨタのエコカー戦略においてどういう意味を持つかだ。質疑でその一端が明らかにされた。

 まずは、コストダウンによる収益改善だ。多くの自動車メーカーがトヨタ方式のHVを生産・販売するようになれば、システムに組み込まれる部品の生産量が膨らみ、コストが下がる。モーターやPCUなどの基幹部品は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)でも応用可能で、電動車全般の生産でメリットがありそうだ。

 寺師氏は、「電動化技術はこの先10年がヤマ場だ」と指摘した。会見の資料には、2030年までの欧州での環境規制が記載してあり、車両の重量ごとに許容される走行距離1キロ当たりのCO2排出量を示すグラフは20、25、30年と段階的に厳しくなることを示していた。

 寺師氏は「これが目標となり、近い規制値が世界に広がっていく」との見通しも述べた。その厳しさは、例えば25年の規制は「(販売する車両を)全部プリウスにしてようやく乗り越えられる」(寺師氏)水準という。自動車各社は世界で対応を迫られることになる。

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