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【経済インサイド】EV時代の到来に「待った」 トヨタ、虎の子技術を開放する深慮

平成9年12月に発売された初代「プリウス」。ハイブリッド車の普及に大きな役割を果たした
平成9年12月に発売された初代「プリウス」。ハイブリッド車の普及に大きな役割を果たした
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 次代のエコカー競争をめぐり、欧米や中国で電気自動車(EV)の普及に注目が集まる中、蚊帳の外に置かれそうなのが、モーターや電池をエンジンと併用することで高い燃費性能を実現したハイブリッド車(HV)だ。平成9(1997)年のプリウスの発売以降、市場を牽引してきたトヨタ自動車は4月、“虎の子”のHVを中心とした電動車の関連技術の特許を無償で開放する方針を公表した。トヨタの方針転換には、HVをさらに普及させることで自社のビジネスを有利に導こうという深慮があった。

■プリウスの大ヒット

 「21世紀に間に合いました」。世界初の量販車として「プリウス」を投入した際のテレビCMには、「鉄腕アトム」などで未来の社会を描いた漫画家、手塚治虫さんのキャラクターが登場し、次世代のエコカーであることを強く印象づけた。

 低速ではモーターで走り、速度が上がるとエンジンで走行。それぞれの駆動系を効率の良い速度領域で使うことで燃費性能を高めたプリウスは大ヒットした。ホンダも11年に「インサイト」を発売し、両社が販売を競う中でHVの普及が進んだ。その後、「フィットハイブリッド」(ホンダ)、「アクア」(トヨタ)といった小型車にも広がった。モーターが比較的小さい「マイルドハイブリッド」や、エンジンを発電用に使う「シリーズハイブリッド」など、仕組みも多様化している。

 日本国内ではHVが普及してきた。自動車検査登録情報協会によると、30年3月末のHV保有台数は751万2846台(軽自動車を除く)で、乗用車に占める比率は19・0%。HVは5台に1台を占める「普通の車」に近づいてきた。

 そして今年4月、トヨタはHVに関する方針を大きく転換し、特許の無償提供を打ち出した。元々、トヨタ幹部の間で技術の開放を訴える声は強かったが、検討していることを対外的に明らかにしていなかったため、驚きをもって受け止められた。

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