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「令和」由来の宴に謎? 大伴旅人が詠んだ花は、はかない「落梅」だった

「旅人の夢」の謎

 この武智麻呂ら不比等の4子(藤原四兄弟)が仕組んだ陰謀といわれる長屋王の変。長屋王側の立場にあった旅人もその前年、遠く太宰府に赴任した。

 事変の8カ月後、旅人が藤原四兄弟2番目の房前(ふささき)に琴を添えて書簡を送っている。書簡と、その返信は万葉集に採録されている。書簡は、旅人の夢に琴が娘子(をとめ)の姿であらわれ、旅人と歌を交したという不思議な内容だ。

 〈いかにあらむ日の時にかも音(こゑ)知らむ人の膝の上我が枕かむ〉(娘子)

 〈言(こと)問はぬ木にはありともうるはしき君が手馴(なな)れの琴にあるべし〉(旅人)

 旅人は夢の中で、「琴の音を知る人の膝を枕にするのはいつの日のことでしょうか」と問う娘子に、「言葉を話さない木(琴)ではあっても、立派な君子が馴染まれる琴に違いない」と旅人は返す。

 この書簡を受けた房前は丁重に喜びや感謝の意を示し、旅人にこう返す。

 〈言問はぬ木にもありとも我が背子(せこ)が手馴れのみ琴地(つち)に置かめやも〉(房前)

 「〈我が背子〉が手に馴れ親しんだ琴を地面に置くようなことができましょうか」と大事な琴であることを強調する歌だ。

 房前もまた、内臣から中務卿に降格させられたばかり。尾田さんは、「この報に接して深く憂慮した旅人が、遠く太宰府から送ったのが琴と歌であった」と論じる。

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