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【酒呑み鉄子の世界鉄道旅】番外編 観光と美食の都に生まれ変わったフィリピン・マニラ 世界水準の高級グルメをお得に食べる

フィリピンの首都マニラの郊外にある高原リゾート「タガイタイ」の絶景
フィリピンの首都マニラの郊外にある高原リゾート「タガイタイ」の絶景
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 フィリピンの首都マニラといえば、ひと昔前までは治安があまりよくないイメージで、男性が遊びに行くか、ビジネスをする場所だった。それが近ごろは、若い女性同士がグルメやショッピングを目的にする“女子旅”の行き先になっている。

 貨幣価値の差のおかげで、高級ホテルやレストランも日本よりずっと割安に楽しめ、日本から約4時間半と近いマニラは「安・近・短」を叶える旅先。短い日程でちょこっと気軽なバカンスに訪れるのにぴったりだ。

 さらに、恵まれた気候のおかげでフルーツが豊富に揃う。日本でもおなじみの、トッピングをたっぷりのせたかき氷「ハロハロ」の発祥地らしく写真映えするスイーツがたくさんある。ビーチリゾートまでもひとっ飛び(しかも安い)で行けるとなれば、情報に目ざとい女性が目をつけるのは当然だ。

 そんなマニラは今、世界の食のトレンドに敏感な人たちからも注目されている。元気に成長する親日国フィリピンの最先端のレストランを巡った。

(写真・文/トラベルジャーナリスト 江藤詩文)(取材協力=フィリピン政府観光省 https://www.premium-philippines.com)

研ぎ澄まされた料理でフィリピンの風土や文化を表現する「Gallery By Chele(ギャラリー バイ チェレ)」
研ぎ澄まされた料理でフィリピンの風土や文化を表現する「Gallery By Chele(ギャラリー バイ チェレ)」
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左がシェフのチェレ・ゴンザレスさん。アジアのレストランランキングとして有名な「アジアのベストレストラン50」の2017年版ではリニューアル前のレストラン「Gallery Vask(ギャラリー バスク)」で35位にランクインした
左がシェフのチェレ・ゴンザレスさん。アジアのレストランランキングとして有名な「アジアのベストレストラン50」の2017年版ではリニューアル前のレストラン「Gallery Vask(ギャラリー バスク)」で35位にランクインした
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 さて、そもそも皆さんは、フィリピン料理をご存じだろうか。フィリピンは7107の島からなる島国。地理的には18地域、民族言語学的には77のグループ(244という学説もある)に分けられる。

 料理を見てみると、マレー半島からインドネシアあたりにかけて居住していたマレー系の民族がもたらした東南アジアの伝統的な食文化を基本としながらも、日本が和食をベースにしつつ各地方の料理を創造したのと同じように、土地ごとにそれぞれの郷土料理が発展してきた。

 歴史を振り返ると、古くから中国と交易し、長きにわたって東南アジアで唯一のスペインの植民地になり、アメリカに支配され、日本軍にも占領された。そのため中国、スペイン、アメリカ、日本の食文化の影響も受けてきた。フィリピンの公用語であるタガログ語で「ハロハロ」とは“混ぜること”を意味する。フィリピンを代表するかき氷のデザートは、フィリピンの食文化を象徴するものだ。

今マニラで最も勢いがある「Toyo Eatery(トーヨー イータリー)」。フィリピンの食文化を振り返り、コースは必ずおかずとご飯のセットとたっぷりのスイーツで締めくくる
今マニラで最も勢いがある「Toyo Eatery(トーヨー イータリー)」。フィリピンの食文化を振り返り、コースは必ずおかずとご飯のセットとたっぷりのスイーツで締めくくる
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フィリピンの人たちはみんなで写真を撮るのが大好き。後列中央がジョルディ・ナヴァラさん。2019年版「アジアのベストレストラン50」では、43位に入った
フィリピンの人たちはみんなで写真を撮るのが大好き。後列中央がジョルディ・ナヴァラさん。2019年版「アジアのベストレストラン50」では、43位に入った
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レストランに併設して、パン屋兼カフェ「PANADERYA TOYO(パナデリア トーヨー)」をオープン。こちらではスペイン統治下時代に伝わったパンを食べられる
レストランに併設して、パン屋兼カフェ「PANADERYA TOYO(パナデリア トーヨー)」をオープン。こちらではスペイン統治下時代に伝わったパンを食べられる
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 フィリピンの代表的な料理は、鶏肉か豚肉、または両方一緒にフィリピンの甘めの醤油とココナッツなどの酢で煮込んだ“フィリピン版肉じゃが”の「アドボ」、野菜と肉や魚の切り身をごろごろ入れ、タマリンドなどできりっと酸味を効かせた具だくさんの“フィリピン版みそ汁”こと「シニガンスープ」、野菜と肉をピーナッツソースで煮込んだカレーやハヤシのようなご飯のお供「カレカレ」、豚の耳や顔のひき肉を、フィリピンのしょう油やビネガー、にんにく、唐辛子などで炒めたビールの進む「シシグ」、味付けのご飯や具をお腹にたっぷり詰め込んだ子豚の丸焼きの「レチョン」などがあり、山盛りの白米やガーリックライスとともに食べる。そう、フィリピンの伝統的な食事は「ご飯がなければはじまらない!」のだ。

「The Helm(ザ ヘルム)」のメニューは、赤、ピンク、白、青など“色”がコンセプトのカラーチャート。写真は「紫」
「The Helm(ザ ヘルム)」のメニューは、赤、ピンク、白、青など“色”がコンセプトのカラーチャート。写真は「紫」
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イギリスアクセントの英語を話すジョシュ・ブードウッドさん。複数の業態の飲食店を手がける実業家でもある
イギリスアクセントの英語を話すジョシュ・ブードウッドさん。複数の業態の飲食店を手がける実業家でもある
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 そんなフィリピンの食文化が、最近注目を集めているのには理由がある。 

 ヨーロッパのトップクラスのシェフが、フィリピンのレストランシーンに可能性を見出してフィリピンに移住し、マニラにレストランをオープンした。また、欧米を中心に海外の超有名レストランやスーパースターシェフのもとで研鑽を積んだ若いシェフが、そのまま外国で店を開くのではなく、フィリピンの未来のために帰国して、マニラにレストランを持つケースも増えている。

 さらに、2015~2017年の3年間にわたって、スペインの料理学会「マドリッド フュージョン」のアジア版「マドリッド フュージョン マニラ」も開催された。スペインといえば、科学の実験みたいな料理「分子ガストロノミー」で世界をあっと驚かせた立役者。そのアジア版とあって、世界の食業界関係者やシェフ、ジャーナリストの関心を集めたのだ。

たとえおまかせのコース料理を注文しても、ゲストの好みや食べ方の進み具合を見て、ひとりずつメニューをアレンジするなど、細やかな心遣いが嬉しい「Old Manila(オールドマニラ)」
たとえおまかせのコース料理を注文しても、ゲストの好みや食べ方の進み具合を見て、ひとりずつメニューをアレンジするなど、細やかな心遣いが嬉しい「Old Manila(オールドマニラ)」
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中央がシェフのアラン・ブリオネスさん。フィリピン産の食材をベースに、世界各国のフレーバーを組み合わせている
中央がシェフのアラン・ブリオネスさん。フィリピン産の食材をベースに、世界各国のフレーバーを組み合わせている
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 そんなフィリピンの食文化を深く研究し、外国人にもわかりやすく整理分類して、アートのような料理で表現しているのが、レストラン「Gallery By Chele

(ギャラリー バイ チェレ)」のチェレ・ゴンザレスさん。スペインのバスク地方という、世界の美食家が憧れる美食都市に生まれながら、フィリピンの食文化の発展と伝承に貢献している(きっかけは“愛”とか。うらやましい)。

 一方、海外の最先端のレストランで知識を深めて技術を磨き、その目を通して自らのルーツに立ち返ったのが、レストラン「Toyo Eatery(トーヨー イータリー)」のジョルディ・ナヴァラさんだ。フィリピンの知られざる食材や、歴史に埋もれてしまった郷土料理を丁寧に拾い上げ、現代的な料理法で世界に発信している。フィリピンのフードシーンを語るのに、このふたりは外せない。

朝食を食べに早起きして出かけたい、タガイタイにある高原リゾートホテル「ソニアス・ガーデン」
朝食を食べに早起きして出かけたい、タガイタイにある高原リゾートホテル「ソニアス・ガーデン」
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「フィリピンできれいになる」も女子旅のテーマ。伝統療法の「ヒロット」というマッサージは、専門の学校でセラピストを育成する
「フィリピンできれいになる」も女子旅のテーマ。伝統療法の「ヒロット」というマッサージは、専門の学校でセラピストを育成する
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 さらに注目すべき若手も台頭してきている。レストラン「The Helm(ザ ヘルム)」のジョシュ・ブードウッドさんは、“世界最高のレストラン”として世界でもっとも有名な一軒、デンマーク・コペンハーゲンの「noma(ノーマ)」で修行するなど、華麗な経歴の持ち主。イギリスとフィリピンのハーフで、どちらの国で開業するか迷ったものの、よりエネルギーを感じたマニラを選んだ。

 自身の店を開くのではなく、最高級ホテルに選ばれたシェフもいる。「ザ・ペニンシュラ マニラ」のメインダイニング「Old Manila(オールドマニラ)」は、ラグジュアリーホテルのメインダイニングとして初めて、フィリピン人シェフのアラン・ブリオネスさんを迎えた。従来は、ヨーロッパから有名なシェフを迎えるのが普通だったが、その流れをアランさんの実力が変えたのだ。

タガイタイの豪邸を改装したエレガントなレストラン「Antonio’s(アントニオス)」。オーセンティックなフランス料理を提供している。2015年にフィリピンで初めて「アジアのベストレストラン50」48位にランクインした
タガイタイの豪邸を改装したエレガントなレストラン「Antonio’s(アントニオス)」。オーセンティックなフランス料理を提供している。2015年にフィリピンで初めて「アジアのベストレストラン50」48位にランクインした
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「Antonio’s(アントニオス)」の系列店で、こちらはフィリピン料理を味わえる「Balay Dako(バライダコ)」。アントニオスのガーデンで食前酒を飲み、こちらでランチをとるのがおすすめ
「Antonio’s(アントニオス)」の系列店で、こちらはフィリピン料理を味わえる「Balay Dako(バライダコ)」。アントニオスのガーデンで食前酒を飲み、こちらでランチをとるのがおすすめ
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 高級なレストランが増えてくると、当然ながら必要とされるのは上質な食材だが、マニラはそれにも恵まれている。マニラから車で2~3時間ほど行ったあたりに、日本でいうと軽井沢のような「タガイタイ」という郊外の高原リゾートがある。標高が高くマニラより涼しいため、マニラの人たちが別荘を持ったり、週末に旅行に訪れたりする場所だ。

 このあたりは水も土地もよく、気候も冷涼で野菜栽培に向いている。しかも、未だ開発されていない未開の地が多く残されているため、これから開墾した土地は、すべて無農薬を使っていない、いわば“意図せずオーガニック”な状態。そのため、持続可能な食環境づくりを目指すシェフたちが自家菜園をつくるなど、オーガニックでヘルシーな食材の供給地として、新たな役割を担っている。

フィリピンのクリスマスを彩る料理。ミサの後に食べる米粉とココナッツのお菓子「ビビンカ」など、一年中食べられるものも多い
フィリピンのクリスマスを彩る料理。ミサの後に食べる米粉とココナッツのお菓子「ビビンカ」など、一年中食べられるものも多い
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 そんなフィリピン人はカトリック教徒が多く、クリスマスが大好きで、1年の3分の1ほどはクリスマスを祝っているとか。その理由は、フィリピン人の国民性としてパーティやお祭りが好きだからとも、経済的に困難だった時期が長く続いたフィリピンでは、多くの人が外国に労働に出るため、クリスマスに帰国できないことが多かったため、帰国するたびにシーズンを問わずクリスマスを祝ったからとも言われている。

 1年中いつでもクリスマスを祝えるフィリピンで、クリスマス料理を楽しんでみませんか。

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