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【アメリカを読む】「不法移民は聖域都市へ」トランプ氏挑発が浮かび上がらせた寛容のジレンマ

米国へ不法入国後、難民申請のため長蛇の列をつくる人々=4月21日、米メキシコ国境(ロイター)
米国へ不法入国後、難民申請のため長蛇の列をつくる人々=4月21日、米メキシコ国境(ロイター)

 トランプ米大統領がメキシコ国境付近で拘束した不法入国者を、不法移民に寛容な「サンクチュアリ・シティ(聖域都市)」に移送する考えを示し、波紋が広がっている。全米各地にある聖域都市には野党民主党が優勢な大都市が含まれ、トランプ氏は移民法制の厳格化に協力しない民主党を狙い打ちした形だ。民主党側は「政治的な報復だ」と反発するが、国内世論を二分する不法移民問題では「寛容さ」の意義が揺れている。(ニューヨーク支局 上塚真由)

■「民主党はうれしいはず」

 州や市、郡など全米に約300あるとされる聖域都市。「米国は移民の国」という歴史的背景や人道主義を重視し、不法移民に寛容な措置を取る。明確な定義はないが、最大の特徴は、不法移民の強制送還を担う連邦政府機関の移民・税関捜査局(ICE)に対し、地元警察が協力しなくてもよいとしている点だ。強硬な不法移民対策を掲げるトランプ氏はこれまでも、聖域都市への補助金停止を盛り込んだ大統領令に署名するなどしてきたが、4月12日にはツイッターで、聖域都市へ不法移民を移送する案を打ち出した。

 「民主党が非常に危険な移民法を変えたがらないから、報道の通り、聖域都市だけに不法移民を移すことを強く検討している」

 前日の11日には米紙ワシントン・ポストが、メキシコとの国境沿いで不法移民の拘束件数が増えて収容施設が不足する中、トランプ政権が昨年11月と今年2月に聖域都市への移送案を関係当局に打診したと報道。費用面や法的根拠の問題から「提案はすでに拒否された」と伝えたが、この報道を機に、トランプ氏はツイッターなどで自らの移送案を繰り返し訴えた。

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