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【こちら外信部】ペルー日本大使公邸占拠事件(前編)つかんでいた突入「Xデー」

 親書を渡されたセルパは狂喜したのだが、若いメンバーたちはキューバ行きに大反対。土壇場にきて犯人グループの意思統一が崩れ、交渉当事者能力を失っていったのだった。

「Xデー」は週明け

 閉塞感が漂う中、4月19日、地元有力紙エル・コメルシオが、国家警察幹部の人事異動を小さく報じた。土曜の朝の気になる記事だった。その日の夜、情報源とコンタクトを取った。

 「この人事異動には重大な意味がある。Xデー(突入決行日)は週明けの21日月曜に決まった」

 こう告げられると、筆者は衝撃で血の気が引けた。武力突入だけはないようにと願い、信じていたし、常識では人質に多大な犠牲が出ると推測されたからだ。

 ホテルに戻り、書くべきか否か、苦慮した。こうしたものは、すっぱ抜かれれば、作戦は中止か延期となるのが常だし、人質の家族の激しい動揺も予想される。だが、書きたいのも記者の性(さが)だ。

 夜は更け、時間ばかりが過ぎていった。結局、ぼかした表現で書くことにした。あくまで人事異動をテーマにし、意義をこねくり回し、最後にさり気なく「週明けにも突入があるとする見方もある」と入れた70行の原稿を20日未明(日本時間20日夕)、21日付朝刊用に送った。

 東京からFAXで送られた早版のゲラを見ると、「悪い予感」が当たった。

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