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【サッカー通信】欧州遠征も圧倒されたなでしこ、クロス対策を見いだせず

フランス戦で戦況を見守るなでしこの高倉麻子監督(右端)=4日、オセール(共同)
フランス戦で戦況を見守るなでしこの高倉麻子監督(右端)=4日、オセール(共同)
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 6月に開幕するサッカー女子のワールドカップ(W杯)で2大会ぶりの優勝を目指す日本代表「なでしこジャパン」が苦しい状況に陥った。フランス、ドイツと対戦した今月の欧州遠征で、ゴール前へほうり込まれるボールに対する致命的なもろさを改めて露呈。弱点を突かれるのが確実なW杯では、厳しい戦いを強いられそうだ。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランク7位の日本は同4位のフランスに1-3で敗れ、同2位のドイツとは2-2で引き分けた。両ゲームともに主導権を握られ、米国、ブラジル、イングランドに内容で圧倒されながら1勝1分け1敗だった2~3月の「シービリーブス杯」と同様、連敗を免れるのがやっとだった。

 フィジカル面の劣勢は数的優位を作っても補えず、ゴール前へボールをほうり込まれてはピンチを招く繰り返しだった。フランスに喫した3失点のうち2失点とドイツに許した2失点は、左右のサイドからゴール前に上げられたクロスがきっかけ。ゴールにはつながらなかったものの、危ういシーンは数多くあった。

 守備を統率するDF熊谷紗希(リヨン)は「失点するときは大体サイドからやられている。今でよかった。課題を話し合って修正しながら次につなげていきたい」と反省。高倉麻子監督は「すべてがチームの糧になる。ポジティブに捉えてW杯へ向かっていきたい」と努めて前を向いた。

 シンプルな攻撃だけに厄介だ。ボール保持者にプレッシャーをかけてほうり込ませないのが最善策で、ほうり込まれたとしても精度を下げることが次善の策となる。ただ、おおざっぱなボールを上げられても危機となるのだから対応は簡単ではない。CKを含めた自陣深くでのセットプレーも命取りになりかねず、なでしこを長く悩ませ続ける“宿痾”への解決策は、今回の遠征でも見いだせなかった。

 一方、少ない好機をゴールに結び付ける決定力も発揮した。ドイツ戦の2得点はGKのミスキックに乗じたものだったとはいえ、決めきるのは簡単ではない。ダイレクトや2タッチのパスを連続して回せた際にはゴールを予感させ、技術面では世界最高峰にあるのは間違いない。

 なでしこはW杯イヤーに入って戦った5試合でライバルに弱点を再認識させてしまい、W杯では徹底的に突かれることになりそうだ。ただ、それも世界トップクラスの強豪と激しい真剣勝負を繰り広げた結果といえる。

 攻撃の核となる中盤の長谷川唯(日テレ)が頼もしさを増し、ボランチの杉田妃和(INAC神戸)も厳しいチェックに動じなくなってきた。22歳の2人以外の若手も、国際試合の雰囲気に慣れつつある。女王返り咲きへの道のりは険しいが、W杯開幕までの残り2カ月間を最大限にいかす教訓とするしかない。(運動部 奥山次郎)

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