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【日本スプリントの挑戦(45)】アジア王者・小池祐貴が住友電工に移籍を決めた訳

ジャカルタ・アジア大会の男子200メートルで優勝し、日の丸を掲げて笑顔を見せる小池=2018年8月29日、インドネシア・ジャカルタ(納冨康撮影)
ジャカルタ・アジア大会の男子200メートルで優勝し、日の丸を掲げて笑顔を見せる小池=2018年8月29日、インドネシア・ジャカルタ(納冨康撮影)
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 気温の上昇に比例するかのように心の底がうずき出していた。昨年夏、陸上男子短距離の小池祐貴は欧州を転戦しながら自身のキャリアについて考えていた。

 「目標をどこに定めようか? 世界のファイナリスト? 成し遂げられなくはないか。だけど競技人生は短い。最大限の結果を出すにはどうするのがいいのか?」

 自問自答するようになったのは、小池が各競技会場で海外のトップ選手を間近に見たり、実際に彼らと会話を交わして大きな刺激を受けたからである。

 ある選手は1つレースが終わると、すぐ移動し、中1日で次のレースを走る強行日程を平然とこなしていた。また、故障を抱えた別の選手はウオーミングアップもそこそこに、レース本番でしっかり結果を出し賞金を手にしていた。

 日本の23歳は「みんなプロの陸上選手として生計を立てているんだな」と、ひしひし感じたという。

 「円満移籍」というルール

 翻って自分はどうか?

 得意の200mは

【7月9日/スイス・ルツェルン】

 6位 20秒44(追い風0・9m)

【7月14日/ベルギー・コルトレイク】

 2位 20秒29(追い風0・7m) 自己記録

【7月21日/ダイヤモンドリーグ・ロンドン大会】

 8位 20秒56(追い風0・1m)

 決して悪くはない。だが、ここから突き抜けていくことはできるのか。見通すことはできなかった。

 小池は全日空(ANA)人財戦略室人事部に籍を置く、入社1年目の社員だった。ANAは「働きたいと思って入った」という第一志望の企業だ。日本オリンピック委員会(JOC)が新卒アスリートと企業とのマッチングを支援する「アスナビ」という制度を活用して入社。試合や遠征、合宿などがない日は東京都内の本社に出勤し、社内向けの業務に従事していた。

 上司や同僚は優しく、社風も気に入っていた。不満などなかったが、小池はその居心地の良さを客観視した。

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