PR

ニュース プレミアム

【通崎好みつれづれ】木琴が響く保育園

笑顔で子供たちとふれ合う「森ノ宮もっきん保育園」代表の島美智子さん=大阪市中央区(南雲都撮影)
笑顔で子供たちとふれ合う「森ノ宮もっきん保育園」代表の島美智子さん=大阪市中央区(南雲都撮影)
その他の写真を見る(1/4枚)

 私と同年代に、相愛大学音楽学部のマリンバコースに通う、みっちゃんという明るく魅力的な女の子がいた。

 みっちゃんこと島美智子さん(48)が、保育園を始めたという。その名も「森ノ宮もっきん保育園」(大阪市中央区)。これは、見学に行かずにおられない。

 奈良県御所市(ごせし)に生まれた美智子さんは、どうしてもマリンバが習いたくて、6歳の頃から大和郡山市のマリンバ奏者・松本真理子さんの元へ片道90分かけて通った。小学校教諭だった父が持っていた往年の名木琴奏者・平岡養一や朝吹英一の演奏が大のお気に入りで、いつもレコードを聴いていたという。年頃になりお見合いの話が来たときも、お相手が憧れの奏者平岡、朝吹両氏と同じ慶應義塾大学卒業ということが決め手になったそうだ。

 何よりマリンバを愛していた美智子さんだが、結婚を機に主婦業に専念するため、その思いを封印した。このたび、夫が代表を務める会社の土地を有効利用する話が持ち上がり、紆余曲折の末、企業主導型保育園を開設することになった。

 平成28年度に内閣府が開始した企業主導型保育事業は、認可外だが認可施設と同程度の助成を受けて運営することができる制度。自社従業員の子に限らず、地域の子供の受け入れ可で地域貢献にもつながる。0歳から2歳、定員12名の「森ノ宮もっきん保育園」は、長年幼稚園教諭を務めた美智子さんの母、久保梅子さんの保育理念を反映するものでもあった。

 美智子さんは、専業主婦から株式会社島商会保育事業部代表への転身のため、保育園運営について猛勉強した。この事業は、先代から会社を引き継いだご主人の新たな挑戦にもあたる。

 こだわりの給食、保育士の資格を活かしたリトミック(音楽表現)やベビーマッサージを取り入れるなど、自身の子育て経験も踏まえ保育内容に工夫を凝らす。美智子さん自身も20年ぶりにマリンバ演奏を再開した。子供たち、保育士さんの笑顔に加え、本社社員の応援が彼女の力になっている。(通崎睦美 木琴奏者)

 つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権に力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ