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【黒川博行が見たフェルメール】妄想膨らむ「取り持ち女」の魅力

ヨハネス・フェルメール ≪取り持ち女≫ 1656年 ドレスデン国立古典絵画館bpk / Staatliche Kunstsammlungen Dresden / Herbert Boswank / distributed by AMF
ヨハネス・フェルメール ≪取り持ち女≫ 1656年 ドレスデン国立古典絵画館bpk / Staatliche Kunstsammlungen Dresden / Herbert Boswank / distributed by AMF
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 ≪取り持ち女≫ 1656年 ドレスデン国立古典絵画館 

 フェルメール作品を見るのは、19年前の大阪での展覧会以来。フェルメールといえば、小ぶりな画材に何げない日常が描かれるイメージだが、「取り持ち女」は違う。なんと女衒(ぜげん)の世界が大画面に映し出される。

 男が若い女を抱き寄せ胸に手を当て、金を渡そうとしている。背後に控えるのは、硬い表情の取り持ち女。売春仲介のスキャンダラスな場面だが、聖書の放蕩(ほうとう)息子のエピソードをテーマに描いたとされ、風刺的な意味もあったのでしょう。

 画家として転機となった作品で、「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」などフェルメールらしい風俗画はこの絵を境に生まれている。赤と黄色の目を引く配色、酒器のブルーなど、後年の作品世界の萌芽を感じさせる。酒器やワイングラスの質感もリアル。

 気になるのは、左端の黒い帽子の男。グラスを手にこちらを向き笑いかけてくる。フェルメールの自画像といわれているらしいが、私も「後妻業」など本のドラマ化、映画化の際には出演させてもらっている。彼も出たがりだったのか? 妄想を膨らませると滑稽で笑える絵に見えてくる。フェルメールらしくないのも魅力かもしれないですね。

     ◇

 【ガイド】「フェルメール展」 大阪市立美術館(同市天王寺区)で5月12日まで。入館料は一般1800円など。問い合わせは06・4301・7285(大阪市総合コールセンターなにわコール)。

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