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【桂南光が見たフェルメール】「家政婦は見た!」ならぬ「フェルメールは見た!」

ヨハネス・フェルメール《恋文》1669-1670年頃 アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1893
ヨハネス・フェルメール《恋文》1669-1670年頃 アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1893
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《恋文》1669-1670年頃 アムステルダム国立美術館

 「恋文」は非常におもしろい。これほど妄想力をかき立てられる作品はない。

 女主人の表情を見てください。けげんそうでしょう。恋文なら、もっと幸せそうな顔をするはず。恋人は遠い海の向こうで、手紙は何カ月も届かない。彼女の気持ちはすでに離れていて、新しい男性といい関係になっているのです。背後の帆船の絵とシターン(楽器)が寓意的モチーフとしてそれを表現しています。

 だから女主人は「今頃…」、したり顔の召使いが「いったでしょ。どうするの」。2人の表情からいろんな妄想が膨らみます。この“なんともいえない表情”が、フェルメールの魅力の一つでしょうね。そんな2人を手前からフェルメールがのぞき見。これは「家政婦は見た!」ならぬ「フェルメールは見た!」。

 絵の両サイドに壁などを描くことで「のぞき見」の構図ができています。フェルメールの実家は宿屋でしたから、男女の修羅場も見ていたんだと思います。そういった物語を絵に閉じ込めるのが得意なんでしょう。

 以上私の妄想です。絵は妄想せんとね。鑑賞後に妄想を話し合うのもおもしろい。その人の意外な素顔が見えてきますよ。

     ◇

 【ガイド】「フェルメール展」 大阪市立美術館(同市天王寺区)で5月12日まで。入館料は一般1800円など。問い合わせは06・4301・7285(大阪市総合コールセンターなにわコール)。

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