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【日本語メモ】同じ意味の言葉にご注意

 先週のコラムに続き、1問目のテーマは「重言」です。私たちは日常会話のなかで、つい同じ意味の言葉を無意識に続けて使うことがあります。これを「重言」といいます。例えば「馬から落馬する」「頭痛が痛い」「満面の笑顔」などです。基本的には、一つの文章や一まとまりの見出しの中で、同じ語句が重ならないように注意しますが、重要な部分を強調したり文のリズムをよくしたりといった効果を狙って、あえて重言を認める場合もあります。

(1)僧侶が読経をあげる中、家族が次々と焼香した。

 葬式や法事などの場面で、「読経」という言葉はよく使われます。文字通り「読経」は「声をあげて経を読む」行為なので、「あげる」をつけると重言です。「お経をあげる」「経を読む」「読経する」なら問題はありません。

(正解例)僧侶が読経する中、家族が次々と焼香した。

(2)高齢者福祉を従来から重点施策に置く。

 「従来」は「以前から今まで」の意。「従来の方針」「従来見られない傾向」という用例があります(大辞林)。例文で出てくる「従来から」は、「から」が入ってしまうと重言となります。この文意では「現在の状況」も含んでいるので「以前から」と直しました。

 「従前」という言葉もありますが、少し堅苦しいような気がします。似た状況の言葉に「かねて」があります。「かねてから」の誤用を数多く見かけますが、「かねて」は「前々からずっと。以前から」の意味で重言となりますが、古くからの慣用表現として許容する辞書もあります。

(正解例)高齢者福祉を以前から重点施策に置く。

(3)電気料金値上げは景気回復に冷や水をさす。

 「冷や水」は慣用句としては「冷や水を浴びせる」として使います。意味は「相手の意気込みをくじくような言動をする」。例文では「景気回復に悪い影響が出る」の意味で使いたいので、これでは意味が通じません。よって「うまくいっているのに邪魔をして不調にする」という意味の「水をさす」が正解となります。「冷や」が付くと強調されるように思われますが、2つの慣用句を混同しているのです。「年寄りの冷や水」など、「冷や水」はあまりいい意味で使われませんね。

(正解例)電気料金値上げは景気回復に水をさす。

(4)積載貨物が一方に偏る。

 「偏る」は「中立的でなくなる」「標準からずれる」「偏在」の意味です。用例としては「人口が都市部に偏る」「栄養が偏る」「偏った考え」などが挙げられます。一方、「片寄る」は「ずれて一方に寄る」ことです。このケースは「片寄る」が正しい使い方です。

 

(正解例)積載貨物が一方に片寄る。

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