PR

ニュース プレミアム

【高論卓説】太陽光発電は安定供給に不安、電源多様化が必要 東嶋和子氏

九州電力管内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)
九州電力管内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)

 昨秋の北海道胆振東部地震に伴う北海道全域停電を契機に、災害時も含めたエネルギーインフラの強靱(きょうじん)化が改めて求められている。

 全域停電の原因は、「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」によると、苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所1、2、4号機の停止と主な送電線4回線の事故による水力発電所の停止が同時に起きた複合要因という。

 発電所や送電線の耐震性を高めるのは当然として、今回誰の目にも明らかになったのは、電気の供給は綿密な制御の下におこなわれており、綱渡りのように危ういということだ。

 使用量(需要)と発電量(供給)を秒単位で一致させる「同時同量」という需給バランスが崩れると、周波数が上下し、産業機器の不安定動作や生産ラインの停止につながる。

 発電所の蒸気タービンの回転数が下がり、振動でタービンが損傷したり、異常電流で発電機が故障したりする可能性もある。これを防ぐため、発電機は自動停止する仕組みになっている。

 先の地震では急激に発電量が下がり、何度か調整したものの奏功せず、結果として全発電所が停止する事態になった。この反省を踏まえ、発電設備の場所や種類、容量の適切な配置と多重化が求められよう。

 一方、「同時同量」を維持するため、太陽光発電の出力抑制に踏み切ったのが九州電力だ。

 九州は再生可能エネルギー(以下、再エネ)の適地が多いとされ、面積、人口、需要電力量は全国の1割である九州に、全国の2割に当たる太陽光・風力が設置されているほど。

 太陽光・風力は時間や天候により発電出力が変わるので、変動を火力発電などの調整で補わねばならない。九電は、60ヘルツ±0・2ヘルツを保つよう制御している。

 それが最近、春・秋の電力需要が少なく太陽光出力が大きい昼間は、一時的に供給が需要を上回るようになった。国の優先給電ルールに基づき、揚水発電による電力貯蔵、火力発電の出力低下、本州への送電といった対応をしても余るのだ。

 供給が野放図に増えても停電の恐れがある。北海道のように、発電所の停止から連鎖的な停止、大停電へとつながる可能性もあるという。そのため、九電は昨年10月以来、太陽光・風力の出力制御を10回以上行っている。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ