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【日本語メモ】「射程距離」は重言です

 校閲業務で特に気をつけることの一つに、重言(同じ意味の語句を無駄に繰り返すこと)の修正があります。

◇「最も最適」→「最も適している」

◇「犯罪を犯す」→「罪を犯す」

◇「日本に来日する」→「日本に来る」

◇「電車に乗車する」→「電車に乗る」

◇「電気の電源」→「電源」

◇「受注を受けた」→「受注した」

◇「辞意の意向を」→「辞意を」

◇「挙式を挙げた」→「式を挙げた」

◇「期待して待っている」→「期待している」

◇「過信し過ぎる」→「信じ過ぎる」

◇「違和感を感じる」→「違和感がある」

◇「後で後悔する」→「後で悔やむ」

 以上の例は同じ漢字が2つあるので、記事モニターで読んでいるときも比較的すぐ気づきます。

 しかし、下記の例は、日常会話の中でも出てくるくらいの重言なので、時間に追われて速読していると、うっかり見逃してしまうことがあります。

◇「若くして夭折(ようせつ)した」→「夭折した」(夭は「若い」の意)

◇「まだ時期尚早」→「時期尚早」(尚は「まだ」の意)

◇「捺印(なついん)を押す」→「捺印する」(捺は「押す」の意)

◇「手ほどきを教える」→「手ほどきする」

◇「第1日目」→「第1日」または「1日目」

◇「約30分ほど」→「約30分」または「30分ほど」

◇「排気ガス」→「排ガス」(気とガスは同じ意)

 私が駆け出しの校閲部員だった頃、産経新聞の北朝鮮のミサイル発射に関する記事の見出しに「日本は射程距離内に」とあった事について、作家の塩田丸男さんがオピニオン面のコラムで「射程の『程』は距離の意味である。射程だけで『弾丸や矢のとどく最大距離』のことだ。他の記事中にもあったが、間違いです」と指摘されていて、衝撃を受けました。

 まさか「射程距離」が重言だったとは! 「機動戦士ガンダム」の登場人物たちや、湾岸戦争当時「イラク軍のスカッドミサイルの射程距離は…」とテレビで言っていた人たちは 皆、間違えていたのか!

 自分がいかに無知であるかを痛感させられた出来事でした。

 もしかすると、いまだ未知の重言があって、見逃してしまっているかもしれません。おっと、いけない。「いまだ未知」も重言でしたね。 (は)

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