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【映画深層】「まわる映写機 めぐる人生」映画の神様が仕掛けた奇跡 

ドキュメンタリー映画「まわる映写機 めぐる人生」から。映写中のシネマヴェーラ渋谷映写技術者、荒島晃宏さん (C)森田惠子
ドキュメンタリー映画「まわる映写機 めぐる人生」から。映写中のシネマヴェーラ渋谷映写技術者、荒島晃宏さん (C)森田惠子
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 その作品を上映するのにふさわしい映画館、というのがあるのかもしれない。ドキュメンタリー作家、森田惠子監督(66)による映画にまつわる3部作の完結編「まわる映写機 めぐる人生」は、3月30日に埼玉県川越市にある川越スカラ座で封切られる。東京での公開前に地方で上映されるのは異例だが、その舞台裏には、映画を愛する人たちとのすてきな縁が絡んでいた。(文化部 藤井克郎)

川越での出会いから

 「森田監督の作品は、私たち映画館の人間にとっては非常に身近なテーマを扱って、ほかの人が目を向けない部分に目を向ける。そこが好きで、できるだけ上映したいと思っているんです」と、川越スカラ座の番組編成を担当する飯島千鶴(ちず)さん(45)は言う。

 森田監督は、北海道浦河町の映画館、大黒座をめぐる人間模様を描いた「小さな町の小さな映画館」を平成23年に、同館の映写機がたどった道をさかのぼりながら全国の映画館を訪ねた「旅する映写機」を25年に完成。今回は第3弾としてフィルム上映を行う映写技師にスポットを当て、映画を見せることの神髄を追求する作品に仕上げた。

 前作の「旅する映写機」を撮ったときは次回作を作るつもりはなかったが、川越スカラ座での出来事がきっかけとなった。26年5月、同館での前作の上映初日に、県内にあった大宮東映という映画館の映写技師、石川直二さんが観客として来館。映写が国家資格だった時代の映写技術者免状を持参しており、上映後の森田監督のトークでは急遽(きゅうきょ)、石川さんにも出てもらい、免状を手に映写談義に花が咲いた。

 「免状は博物館級ですからね。観客からも、おおーっ、という声が上がって、すごく楽しそうに話されていた。ああいう表情に出合うと、本当に幸せな気持ちになります。さっそく翌月の6月には会いに行きました」と森田監督。余談ながら、記者もこの川越スカラ座での初日に見にいっており、“映画誕生の瞬間”に立ち会ったことになる。

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