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【経済インサイド】金融詐欺、狙われる高齢者は 「知識のある方」が危険

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 自分の金融知識に対して自信のある高齢者ほど金融詐欺に遭いやすい-。フィデリティ投信がまとめた意識調査で、こんな高齢者の姿が浮き彫りになった。「人生100年時代」の到来で資産運用の重要性が高まる一方で、高齢者を狙った投資詐欺や振り込め詐欺などの被害が頻発している。金融教育や高齢者向けサービスの重要性が改めて問われている。

 ■高い被害率

 調査は昨年12月、インターネット上で実施し、65~79歳の男女1万1960人が回答した。日銀の金融広報中央委員会が2016年、個人の金融の知識や判断力を把握するために実施した「金融リテラシー調査」の中で使ったクイズを活用。平均点は56・3点で、投資経験があったり、保有する金融資産が多いほど、得点が高い傾向がみられた。

 この中に、「あなたは同世代に比べて金融知識が高いと思うか」という設問がある。この答えと、リテラシークイズの得点を照らし合わせて分析したところ、「同世代に比べて金融知識レベルが高い」と考えているにもかかわらず、実際の得点は40点以下にとどまる回答者は全体の13・7%を占めた。対照的に、自己評価は低いものの、点数は高い人は17・7%に上った。

 フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は「金融知識の自信過剰が散見される。自己評価の低い人も合わせると、3割の人は正確に自分の金融リテラシーを評価できていない」と指摘する。

 気になるのは、金融知識に過剰な自信を持っている人の被害率が平均よりも高いことだ。実際に金融詐欺被害に遭った人の比率は4・6%に対し、リテラシークイズの点数が低い上に「金融知識が同年代に比べてかなり高い」人は9・0%、「高い」人は6・4%だった。

 警察庁によると、昨年の特殊詐欺認知件数は1万6493件、被害額は356・8億円。既遂1件当たりの被害額は228・9万円だった。特殊詐欺全体での高齢者(65歳以上)の被害認知件数は約8割に上る。手口別では、オレオレ詐欺と還付金等詐欺の被害者は大半が高齢者だった。

 ■金融機関も対応急ぐ

 1800兆円を超える個人金融資産の多くは高齢者が持っているとされている。高齢者が詐欺のターゲットにされやすいのは、お金があるだけでなく、資産寿命を伸ばすための金融商品・サービスが充実してきたために、高齢者のお金が動いていることがある。認知機能の低下や単身世帯の増加で、「だましやすい」と思われてしまうことも要注意だ。

 金融機関も高齢者対応の強化を急いでいる。野村ホールディングスと三菱UFJ信託銀行、慶応大は共同で加齢に伴う認知機能の低下などを分析し、高齢者の資産管理サービスに生かす取り組みを始める。

 みずほ信託銀行は高齢者向け金融商品で、介護や見守り、家事代行などのサービスをパッケージで提供している。そのほか、多くの銀行や保険各社が営業員に認知症に対する理解を深める研修を実施している。 (経済本部 米沢文)

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