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【日本スプリントの挑戦(44)】室内60m日本新・川上拓也が抱く競技への「罪悪感」

室内男子60メートル日本記録保持者の川上拓也。動きづくりの練習を丁寧に繰り返す=3月11日、兵庫県西宮市
室内男子60メートル日本記録保持者の川上拓也。動きづくりの練習を丁寧に繰り返す=3月11日、兵庫県西宮市
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 陸上競技には「室内シーズン」と呼ばれるものがある。屋外で競技をするにはまだ寒い1~3月に、ホールや体育館などで競技会が行われるのだ。本格的なトラックシーズンを前に、多くの選手がここで冬場のトレーニングの成果を確認する。

 今季の日本勢は活況だった。男子走り高跳びの戸辺直人(当時つくばツインピークス、現JAL)が2m35の日本記録を樹立し、日本人初の世界室内ツアー総合優勝。男子5000mの遠藤日向(住友電工)、女子3000mの松崎璃子(積水化学)、男子1マイルの荒井七海(ホンダ)も、それぞれ日本新を記録した。

 そして男子60mでは川上拓也(大阪ガス)が快走を見せた。6秒54をマークし、所属の大先輩である朝原宣治が1997年に作った6秒55の日本記録を塗り替えたのである。

 「『22年ぶりの更新』とか『朝原さんの記録』とかワードが強くて、反響が予想以上に大きい。ビックリしています。もっと小さく評価されていると思っていたんですが」

 社会人1年目の23歳は、そう言って穏やかに笑った。

 好走で決まったGP出場

 2月13日、川上はアイルランド・アスロンにいた。室内大会60mを6秒58の2位でフィニッシュ。予選でマークした自己記録6秒57に次ぐセカンドベストだった。

 4日前のベルギー・ヘントの大会から始まった欧州遠征は、これで終了となり、日本に帰国するはずだったが、いきなり外国人の関係者に声を掛けられた。「バーミンガム」という単語が端々に出てくる。スマートフォンの翻訳アプリも駆使しながら意思疎通を図ると、どうやら好走を見せた川上に対する大会出場のオファーらしい。

 1人で遠征していた川上は、関西実業団の各チームがお世話になっている公認代理人に電話をつなぎ、話をまとめてもらった。すぐに世界室内ツアーの第5戦・バーミンガムグランプリ(GP)への出場が決まった。

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