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【経済インサイド】トヨタ、車の定額制サービスに参入 「若者呼び込みたい」

 トヨタの友山茂樹副社長は「車はもちろん、メンテナンスや保険、リースといったバリューチェーン(事業連鎖)ビジネスをいかに確保するかが重要だ」と強調。トヨタが住友商事系のリース大手と設立したキントの運営会社も「接点がなかった若者をネット経由で呼び込みたい」と、新たな需要開拓に意欲を示す。

 キントには、顧客をつなぎ止めるという狙いもある。トヨタ車が他社のサービスを通じて売れても、トヨタの販売店を利用するとはかぎらない。キントの運営会社によると、キントの利用客はサービス期間中にトヨタの販売店でメンテナンスなどを受けることになるため、販売店の収入が安定化する効果が見込まれる。さらに、利用客から返却された車を中古車で貸し出すなど、商機を広げることも可能になるという。

 ■増える参入企業

 車の定額制サービスをめぐっては、異業種や海外メーカーの日本法人も熱い視線を注ぐ。ナイルはカーリース大手のオリックス自動車と提携し、昨年1月に「カルモ」を立ち上げた。高橋飛翔(ひしょう)社長は「日本人の世帯収入が減少するなかで車の所有にともなう負担感が増し、結果として若者の車離れが起きている。その状況を変えたい」と意気込みを語る。契約数は、検討中の中古車も含めて1万件に増やすことが当面の目標だ。

 メルセデス・ベンツ日本(同品川区)も、新規顧客の開拓に向けて定額制サービスの提案に力を入れる1社だ。広報担当者は「定額制によって新車を3年ごとに乗り換える流れが定着すれば、日々進化する車の技術をアピールしやすくなる」と力説する。

 とはいえ、車の定額制サービスが音楽やゲームのように普及するかは未知数だ。都心に住む消費者にとっては、駐車場代や燃料代も含めると月額の負担額は決して安くないからだ。キントセレクトは富裕層を狙ったサービスとはいえ、3年間でレクサスを乗り比べる価値がどこまで受け入れるかも読みづらい。

 KPMGモビリティ研究所(同千代田区)の木下洋パートナーは「本当にほしい商品は購入し、何度も試したいモノは定額制サービスを使う」と分析。そうした消費者の購買行動を踏まえた上で、「月々の料金を下げるか、割高な料金に見合うだけのサービス内容に充実しなければ普及は進まない」と課題を投げかける。各社の挑戦の成否は国内自動車市場の今後を占う試金石となりそうだ。 (経済本部 臼井慎太郎)

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