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【スポーツ異聞】スポーツクライミング「スピード」不得手の日本、「智亜スキップ」で打開

「智亜スキップ」を編み出した楢崎=2月10日、東京都昭島市
「智亜スキップ」を編み出した楢崎=2月10日、東京都昭島市
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 2020年東京五輪で新たに実施競技となったスポーツクライミングは「ボルダリング」「リード」「スピード」の3種目の複合で争われる。メダル獲得が期待される日本勢にとって、最大の課題が「スピード」の強化だが、弱点克服に向けて注目されているのが、ボルダリングの第一人者、楢崎智亜(ともあ)が編み出した「智亜スキップ」と呼ばれる登り方。複数の日本選手が取り入れ始めており、タイム短縮に一役買っている。

 複数の課題(コース)の完登数を競う「ボルダリング」、制限時間内に到達した高さを競う「リード」は、ワールドカップ(W杯)などの世界大会で上位に食い込む日本選手が複数いる。一方、高さ15メートルの壁を登る速さを競う「スピード」は、国内に練習施設は少なく、世界からやや後れを取っている。

 現在、W杯の「スピード」で、決勝トーナメントに進出できる16位相当のタイムは、男子が平均6秒29、女子が8秒51。これに対し日本選手の自己ベストタイム(2018年11月11日時点)は、男子は楢崎の6秒69、女子は野中生萌(みほう)の8秒57が最高。昨年9月にインスブルックで行われた世界選手権の複合では、スピードの順位が伸びず、男女ともメダルに手が届かなかった。

 とはいえ、打開策も見つけつつある。その一つが、序盤の左側にあるホールド(突起物)を飛ばして直線的に登る方法。昨夏の代表合宿で、2016年ボルダリングW杯年間総合王者の楢崎が考案し、他国の選手からは「智亜スキップ」と呼ばれている。

 手足を同時に動かしながら、ジャンプをして、ホールドに飛びつくという難しい動きが要求されるが、左側に体を移動する動作を省くことができ、タイム短縮につながる。

 日本代表のスピード担当の水村信二コーチによると、この登り方を習得すれば、スタート直後の前半部分のタイムが0・3秒から0・2秒短縮されるという。

 ボルダリング技術が高い日本人選手向きの登り方で、今では、日本人の男子選手のほとんどが取り入れている。女子では、野中がこの登り方で、2月に行われた第1回スピード・ジャパンカップを制した。

 日本のスピードの進化は他国からも注目をされており、最近では「日本の秘密はなんだ」と声がかかるようになったという。瞬発力では劣るが、ボルダリングの技術の高さを生かした登りで、勝機を見いだしていく。(運動部 神田さやか)

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