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【大リーグ通信】マー君悩ます時計「ピッチ・クロック」

タイガース戦に先発し、3回1安打無失点だったヤンキース・田中=タンパ(共同)
タイガース戦に先発し、3回1安打無失点だったヤンキース・田中=タンパ(共同)
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 ヤンキースの田中将大投手(30)がスタジアム内に新たに設置された“デジタル時計”に悩まされている。投球間隔を20秒以内にするルールを厳しく運用するためのタイマー「ピッチ・クロック」で、これが田中は大の苦手らしいのだ。オープン戦に限っての試行で本格導入の見込みは立っていないが、今後、どう対処していくか注目される。

 3月3日に米フロリダ州タンパで行われたタイガースとのオープン戦で、田中はこのキャンプで初めてのマウンドに上がった。新球のナックルカーブをコントロールよく決めるなど、上々の出来だった。その一方で、投球の合間に落ち着かなそうなそぶりを見せていた。スタジアム内に設置されたデジタル表示の時計の数字を気にしていたのだ。

 「ピッチ・クロック」は、投手の投球間隔を20秒以内にするルールを厳しく運用するための時計で、MLB機構が今季オープンから試行を始めた。規定の時間を超えると、投球に関係なく1ボールが宣告される。打席になかなか入らないなど、打者が原因の場合は1ストライクがコールされる。

 AP通信は、「田中は20秒のピッチ・クロックに十分順応していた。メジャーでも最も投球間隔が遅い投手の一人だが、この日は一回も違反になることはなかった」と、ひとまずクリアしたことを伝えた。

 今季もヤンキースのローテーション投手として、15勝は期待されている田中。150キロを超える速球に、スライダーなどのよくコントロールされた変化球、加えて投球術の巧みさを誇る。

 そんな田中にも唯一と言っていい泣きどころがある。投球の合間が他の投手に比べ、極端に長いことだ。データサイト「ファングラフ」の調べでは、田中の平均投球間隔は昨季26秒1で、150イニング以上投げた投手78人中76番目に遅かったという。

 昨季までなら、それほど心配することもなかったのだが、事情が変わってきた。試合時間の短縮を唱えながら、一向に短くならない現状を憂え、MLB機構がピッチ・クロックをオープン戦でテスト導入したからだ。スポーツ専門局ESPNによると、「スタジアム内には時間表示器が3カ所設置され、マウンド上の投手には否が応でも目に入る」という。

 初登板では見事に課題をクリアした田中だが、「ピッチ・クロック? とても意識していた。オープン戦だけのようだけど、公式戦でもそうなったら嫌ですね。特に大事な試合では」と、拒否反応を示した。

 この問題をめぐり、ワシントン・ポスト紙は「ピッチ・クロックの本格採用には選手会との合意が必要。今季からの導入は無理。労使協定が改定される2022年になるのではないか」と報じた。

 田中の心配は当面、避けられそうだが、試合時間短縮に躍起のMLB機構は、早い時期に20秒ルールの徹底を図りたい構えを捨てておらず、落ち着かない日々が続くことになるかもしれない。

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