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「ワンピース」最新話を世界に無料配信 集英社の本気

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漫画アプリ「MANGA Plus(マンガプラス)」のイメージ(集英社提供)
漫画アプリ「MANGA Plus(マンガプラス)」のイメージ(集英社提供)

 集英社が1月末から配信しているスマートフォン向けアプリケーション(応用ソフト)「MANGA Plus(マンガプラス)」が、世界の漫画ファンから注目されている。「ONE PIECE(ワンピース)」などの人気漫画の最新話を、日本と中国、韓国を除く世界各国に無料で配信する大胆なサービスだ。日本漫画に対する熱い思いに応えた。同時に、中韓勢の台頭や、海賊版に対する危機感もにじむ。(文化部 本間英士)

1カ月で50万人

 マンガプラスで読める漫画は、「ワンピース」や「僕のヒーローアカデミア」など約50作品。このうち約30作品は、日本で掲載誌の最新号が発売されるのと同時配信だ。連載中の漫画のみならず、「NARUTO-ナルト-」など完結済みの人気作もある。

 「世界中の読者から『こんなアプリを待っていた。ありがとう!』という反応があり、手応えを強く感じています」

 集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」編集長で、同アプリも手がける細野修平さんは、このように語る。

 英語とスペイン語に対応する海外仕様で、日本および現地出版社との協業が進む中国、韓国は配信の対象外だ。

 1月28日に英語版を先行配信したところ、ポルトガル語やヒンディー語、タイ語などでも喜びの声がアプリのコメント欄に寄せられた。「自分の言語でもやってほしい」との声も多数寄せられており、特に漫画大国であるフランスからの“圧”を感じているという。

 2月の月間利用者数は50万人を突破。同月25日にはスペイン語版も配信、3月の数字はさらに伸びるとみられる。

中韓勢の台頭

 マンガプラスが企画されたのは約2年前。きっかけは、「危機感」だった。

 「海外の人と話をすると、ジャンプ系の漫画の存在感が低下しているのが分かりました。逆に存在感を増しているのは、スマホ画面を縦方向に動かして読める漫画(ウェブトゥーン)が特徴の中国・韓国勢。そこに対抗していかないといけないんです」

 細野編集長とアプリ担当者の籾山悠太さんは、このように振り返ったうえで、「そもそも、これまで日本の漫画をちゃんと提供できていなかったという事情もあります」とも語る。

 集英社の漫画同時配信は、これまで英語圏などの十数カ国に限られていた。それ以外の国では、正規の漫画をリアルタイムでは読めなかった。

 「海外でも『ワンピース』や『ドラゴンボール』は人気ですが、世界の半分以上の国では、連載作品の最新話を読めなかった。それが海賊版の利用を広めてしまったという側面もありました」(細野編集長)

 ある作品の海賊版を言語別で調べたところ、英語とスペイン語版が突出して多かったという。スペイン語を話す人は世界で4番目に多く、スペイン語圏のメキシコでは「ドラゴンボール」が圧倒的人気を誇る。

 「逆に言えば、これはチャンスなんです。それだけの人気と、需要があるということですから」(細野編集長)

海賊版対策も

 配信してから日は浅いが、海外のアプリストアで海賊版を読めるアプリの順位が下がるなど、細野編集長は海賊版対策としても手応えも感じているという。

 「これまで海賊版にどっぷりつかっていた人の習慣を変えるのは難しいかもしれない。けれど、これから新しく読む人は、正規の場所で読む習慣ができるようになると思います」

 運営は広告収入でまかない、収益は作者にも還元される。どの国でどういう漫画が好まれるのか-というデータも集まるため、ビジネス面でもメリットがあるという。

 細野編集長は「アラブ圏やアフリカなど、これまで漫画ビジネスが盛んではなかった国でもヒット作を生み出したい。『マンガプラス』発の世界的ヒットを生み出すのが目標です」と話している。

中国・韓国漫画の台頭

 一方、日本の「お家芸」とされてきた漫画だが、中国・韓国の追い上げが著しい。

 韓国ではインターネットで読むのに最適化された「ウェブトゥーン」と呼ばれる漫画が人気で、日本の若者にも浸透してきている。中国ではウェブトゥーンを配信する「快看漫画」というサービスが、約1億の利用者を抱えて存在感を急速に高めている。

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