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酷評から奮起、都心の劇場根城に公演 和太鼓集団タオ

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常設劇場公演「万華鏡」では、プロジェクションマッピングと和太鼓パフォーマンスを組み合わせた
常設劇場公演「万華鏡」では、プロジェクションマッピングと和太鼓パフォーマンスを組み合わせた

 話題を集めている和太鼓芸能集団「DRUM TAO(ドラム タオ)」が、4月から都心の劇場を根城に公演する。狙うは急増する訪日外国人客。伝統の和楽器と最新の映像技術を組み合わせたショーは、まさに訪日客好みだ。「有楽町をブロードウェーのように舞台文化を楽しむ人が世界中から集まる場所にしたい」と意欲を示す同集団の代表で演出家の藤高郁夫(ふじたか・いくお)さんに話を聞いた。(文化部 三宅令)

ヒントはラスベガス

 --まず、ドラム タオについて。和太鼓は郷土芸能のイメージが強いが、タオの舞台は、エンターテインメント・ショーだ

 「若い人が『かっこいい』と感じられるものをやりたかった。どういったものが良いのか考えていたとき、ショービジネスの“聖地”米ラスベガスでシルク・ド・ソレイユ(カナダ発のパフォーマンス集団)のアクロバットショー『ミスティア』を見た。オープニングに和太鼓を使っていて、たたき方は下手だけど、見せ方が上手で観客は大喜び。それが僕のなかに強い印象を残している。法被、鉢巻きの伝統的なスタイルにこだわる必要はないと思った」

 --タオは、海外でも高い人気を誇り、定期的に海外ツアーも行っている。だが、最初の欧州ツアーでは、現地で「退屈だ」と酷評された

 「『情熱を込めて演奏すれば伝わる』と思っていた自分がいやになった。悔しくて泣き続けた。良い音を出すだけではついてきてくれない、ということを思い知った。“かっこいい見せ方”も一緒に考えなければ、楽しんでもらえない」

 「そこで、かっこよさにこだわり、例えば、衣装はデザイナーのコシノジュンコさんに頼み、公演ごとに新調している。外見だけが新しくてもダメなので、新しい音楽や表現も模索している。そのなかで、演出家の宮本亜門(あもん)さんや、レゲエグループの湘南乃風(しょうなんのかぜ)、歌舞伎…と、さまざまな分野のプロフェッショナルとコラボレーションし、彼らの要素を取り入れて、タオは成長を続けている」

和太鼓版シルク・ド・ソレイユ

 --有楽町の「オルタナティブシアター」をタオの常設劇場として4月から「万華鏡」という舞台を上演する。デジタルコンテンツ制作会社のチームラボ(東京都千代田区)と協力し、美しい日本の幻想世界を映像で描き出す

 「彼らが駆使する映像技術は、神話世界など想像しかできないものを表現することに優れている。(演出に凝るほど)非常に手間が掛かるし、複雑化して大変な状態になっているが、できあがるとうれしい。今は太鼓もショーに合わせて新たに発注している。そんな団体は、他にいないのではないか。最先端を走っている自覚はある」

 --将来目指すものは

 「理想は和太鼓版シルク・ド・ソレイユ。彼らは土臭いイメージのあったサーカスを洗練されたショーとして昇華し、世界中で喜ばれている。運営面でも優れていて、団員の生活を病院や食堂もある町みたいなテントで賄い、常に複数のチームが世界各地で公演できる体勢を整えている」

 --タオの運営面でもシルク・ド・ソレイユを手本としている

 「結成して26年。メンバーが44人(今年1月時点)いてチームを3つに分けている。全国ツアーをまわるAチーム、常設劇場公演を行うKチーム、新人で構成されているGチーム。Gチームについては、拠点である大分県竹田市に芸術村を作る計画で財団を創設し、いつでもタオの公演を見られるようにする予定だ。いずれはシルク・ド・ソレイユのように、拠点でメンバーの衣食住を賄い、世界各地に複数のチームを派遣できるようにしたい」

五輪はチャンス

 --4月からの“常設劇場公演”では、訪日客を通じて海外にタオの存在をアピールできそうだ。理想に近づくのでは

 「そうですね。例えば、米国のブロードウェーには舞台目当てに世界中から人が集まってくる。そのブロードウェーのように、日本の舞台文化を楽しむ場所として、今回の劇場が定着すればいい。2020年には、東京五輪が開催され、海外から4千万人も観光客が訪れるので、チャンスだと思っている」

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