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【三井美奈の国際情報ファイル】中国資本に振り回される仏空港 一帯一路、欧州の現実とは

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トゥールーズ・ブラニャック空港にある巨大な免税品店。平日の昼間は客がまばらで、閑散としていた。(三井美奈撮影)
トゥールーズ・ブラニャック空港にある巨大な免税品店。平日の昼間は客がまばらで、閑散としていた。(三井美奈撮影)

 欧州航空産業の中心地、フランス南西部トゥールーズの国際空港が中国資本をめぐって大揺れだ。空港民営化に伴って参入した中国企業が、社長の失踪や投資計画踏み倒しなど、すったもんだの末に経営撤退に動いたため。現地を訪ねると、巨大経済圏構想「一帯一路」のお粗末な実態が見えてきた。

■2年以上も消息不明

 「トップがいきなり、2年以上も消息不明になった。取締役会には毎回、別の人が来て、言葉もロクに通じない。撤退計画には正直、ほっとしている」

 地元自治体による広域連合の空港担当、ベルナール・ケレル氏はこう話した。

 問題になっているのは、利用者数で国内5位のトゥールーズ・ブラニャック空港。空港の筆頭株主である中国の企業連合「欧州カジル」が1月、株売却の手続きを始めたと報じられた。地元への説明は皆無だが、すでに複数の仏企業が株取得に意欲を表明した。

 カジルは2015年、仏政府の空港株売却に伴い、全体の49・99%を落札した。政府保有株は10・01%となり、残り40%はケレル氏の広域連合や自治体が占める。

 カジルを率いるのは、香港出身で40代の潘浩文氏。英語名をマイク・プーンという。トゥールーズの関係者に「8億5000万ユーロ(約1000億円)を投資し、空港周辺の交通網や展示場を整備する。空港利用者を2倍以上に増やす」と言って喜ばせた直後、姿をくらませた。地元が大混乱する中、潘氏は17年、ひょっこりトゥールーズに舞い戻り、地元紙の質問に「中国で航空産業の調査に協力していた。私は業界の重要人物ですから」と涼しい顔で答えた。仏側の報告書によると、業界汚職に関連して中国当局に事情聴取されていたらしい。

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